ヤンデレ?な後輩に愛される先輩
俺には慕ってくれる後輩がいる。
彼女はとても可愛く、愛らしい。
だが、どこか影を背負っているように見えるのが気になっていた。
その日の昼休み。彼女は俺にお弁当を持ってきた。
「頑張って作ったんです……先輩……食べてくれませんか?」
「おおっ、ありがとう!」
俺は喜んで受け取った。中は俺の好物ばかりだ。
「……うまっ! このハンバーグ、めっちゃうまっ!」
そして味付けも、好みのど真ん中だった。
喜ぶ俺を見て、彼女は満足そうに笑う。
その笑みは、どこか妖しさを漂わせていた。
「……先輩……仲の良い幼馴染の女の子、いますよね……」
「うん?」
「実はそのお肉は、彼女の……」
そんな、まさか。このハンバーグは、俺の大切な幼馴染の――
「……彼女の指導を受けて、先輩好みの味に合わせたんです……」
「なっ、なんて健気な子なんだ!」
* * *
「先輩……首のそれはどうしたんですかぁ?」
俺の首筋には、ピンク色に充血した跡。
それを見て彼女は、許せないものを見たという顔をした。
「あっ……いや、これは……」
「先輩にまとわりつく害虫は、駆除しないといけませんよねぇ……」
そう言って彼女は、なんと包丁を取り出した!
「おっ、お前っ、一体何を……!?」
彼女は躊躇いなく、包丁を振り下ろした。
そして――
俺の首から血を吸った小さな蚊を、一刀両断にした。
「つまらないものを斬ってしまいましたぁ……」
「かっ、神業……っ!」
* * *
「今夜は徹夜で勉強するぞ!」
「先輩……どうぞ……」
机に向かう俺に、後輩がコーヒーを淹れてくれた。
「ありがとう」
早速一口。コーヒーが喉を流れた直後――
(!? 飲んだら、急に眠気が……!?)
瞼が重くて開けていられない。まさか後輩が中に何かを入れたのか?
「お前……いったい……何を……」
「先輩のためなんです。今は、おやすみなさい……」
俺は抵抗できず、そのまま意識を手放した。
…………。
「眠ったらスッキリして勉強がはかどるようになったぞ」
「しっかり休憩した方が効率よく勉強できますよ」
* * *
俺と彼女はコンクリートが剥き出しの薄暗い一室にいた。
俺の両手は縄で縛られ、動かすことができない。
「こんなところに閉じ込めてどういうつもりだ!?」
「ふふふ……」
自由の効かない俺を見て、彼女は満足そうに笑っている。
「もう先輩は、ここから出る必要はありません……全て私に任せてくれれば良いんです……」
「なっ、何を言っているんだ!?」
彼女は懐から包丁を取り出した。
「それじゃあ……先輩はここで大人しくしていてくださいね」
「ちくしょう……ちくしょう……」
彼女は鉄の扉を開けて出て行った。
「……さあ来なさい! 先輩には指一本触れさせませんよ!」
そして彼女は、押し寄せるゾンビの群れにたった一人で立ち向かって行った。
「俺もここから出せぇーーっ!」




