ラグナロクに挑む勇士たち!の巻!
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「蛇遣い座の女神様は待ったのだ、未来を守る勇士が揃うことを!」
宇宙最古の生命体「開拓者」カーレルは皆に告げた。
なんだか彼はノリノリで楽しそうである。
カーレルは仲間内で最も若く未熟であることを恥じていたが、捨てなかったものが幸いした。
「ふふふ…… わらわが宇宙創世の十二星座の女神+1、蛇遣い座の女神である!」
蛇遣い座の女神様も楽しげだ。遊ぶことは大事なことだ。遊びすぎはよくないが。
未来を守るために戦う勇士十六名――
ハロウィンの守護者「レディ・ハロウィン」のローレン。
レディ・ハロウィンの侍女「フランケン・ナース」のゾフィー。
百八の魔星の守護神「托塔天王」チョウガイ。
百八の魔星の一人「入雲龍」ソンショウ。
ハロウィンの女妖魔ギテルベウス。
ハロウィンの女妖魔マイマイ。
ハロウィンの女妖魔ヒューイット。
バレンタインの守護者「バレンタイン・エビル」のグレース。
バレンタイン・エビルに仕える「三勇士」のブル、ジェット、アローン。
アローンをヒ◯として養う義理の母娘リリースとイブ。
宇宙創世より瞑想を続けていた謎の女神カオス。
ネットの海から誕生したAI世界の女王メロリン。
そして、天の機を知る宿星に産まれた天機星「知多星」ゴヨウ……
だが。
「ゴヨウの代理で来ました、メカゴヨウです!」
ゴヨウの代理に参加するメカゴヨウは、皆に礼儀正しく敬礼した。
外見はク◯マティ高校に登場するメ◯沢にそっくりだ。
煩悩を捨て去ったゴヨウの精神がダウンロードされたメカゴヨウは、光の側に立つ偉大な存在である。
「……うおおおお!」
怒りのチョウガイはメカゴヨウを殴り飛ばした。
特殊合金製のメカゴヨウのボディーが歪む。チョウガイの凄まじい拳だ。
「な、何をするんですかチョウガイ様!」
「本体の方はどうしたあ!?」
「あ、兄貴落ち着け! 気もちはわかるから!」
バチバチとショートしながら起き上がるメカゴヨウと、ソンショウに抑えられたチョウガイ。
ソンショウもチョウガイも、ゴヨウに一目も二目も置いている。それゆえに期待しているのだ。
だからこそ、本人が来ないのが許せなかった。
「これで活躍して真のヒロインの座を手に入れるのよ!」
「それで夏はセンターを……」
「ケンと私の夏の青春を!」
ギテルベウス、マイマイ、ヒューイットのハロウィンの女妖魔三人は話しこむ。
「大変ねえ、今夜の献立も考えなくちゃいけないのに……」
「男子高校生の食欲を甘く見てたね」
リリースとイブは、こんな時に――
いや、こんな時だからこそ生活を大事にする。
二人は帝都の某有名男子校寮の管理人だ。
「唐揚げでいいんじゃねえか、人気あるし」
気楽に言うのは三勇士の一人、双剣の一匹狼だ。
彼はリリースとイブの寮に住み着いた、いわゆる細くて長い縛るもの、つまり◯モというやつだ。
「魚がいいな……」
三勇士の一人、ブルは小声でつぶやいた。三勇士最強の彼も、控え目な性格すぎて活躍に恵まれない。
「俺はカレーがいい。たまにはカツカレーとか」
ジェットはそう言った。彼とブルはアローンと離れ離れになってしまったが、三勇士の絆が切れたわけではない。
「緊張感ないわね……」
ローレンはため息をついた。
「まあまあ、お姉様」
グレースがローレンをなだめた。二人は母親同士が双子で、いとこの関係になる。
ローレンがショートヘア、グレースがロングヘアーということをのぞけば、ほとんど瓜二つだ。
「私はチョウガイ様を守ります!」
と、ゾフィーは豊かな胸を張って宣言した。
未来を守るために最も大事なものは、やはり愛かもしれない。
「夏の短編はどうするの?」
「混浴温泉でB級ホラーラブコメの予定みたいよ」
カオスとメロリンは秘密会議中だ。どうやら炎天下の夏に混浴温泉でロマンホラー!深紅の秘伝説らしい。
明るく健康的なお色気が男女の魂を輝かせ、人類の未来を創ってきた……
それは言いすぎだろうか。
知多星ゴヨウは虚無の彼方をさまよっていた。
天も地もない暗黒の空間をさまようゴヨウ。
今の彼は、まるで嵐の夜の海に漂うクラゲだ。
ゴヨウが意識を保っているだけでも大したものだ。
(ああ、これは……)
そしてゴヨウは知った。
運命の三女神。
人類の進化は、危機に瀕した時にのみあり得る。
未来を選ぶ者が多ければ、運命は変わる。
だが価値なきことを証明すれば、宇宙の意思が人類を滅亡に導くだろう。
ラグナロクとは? 人類の進化とは?




