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虚無戦線  作者: MIROKU
ラグナロク
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ラグナロクに挑む勇士たち!の巻!


   **


「蛇遣い座の女神様は待ったのだ、未来を守る勇士が揃うことを!」


 宇宙最古の生命体「開拓者」カーレルは皆に告げた。


 なんだか彼はノリノリで楽しそうである。


 カーレルは仲間内で最も若く未熟であることを恥じていたが、捨てなかったものが幸いした。


「ふふふ…… わらわが宇宙創世の十二星座の女神+1、蛇遣い座の女神である!」


 蛇遣い座の女神様も楽しげだ。遊ぶことは大事なことだ。遊びすぎはよくないが。


 未来を守るために戦う勇士十六名――


 ハロウィンの守護者「レディ・ハロウィン」のローレン。


 レディ・ハロウィンの侍女「フランケン・ナース」のゾフィー。


 百八の魔星の守護神「托塔天王」チョウガイ。


 百八の魔星の一人「入雲龍」ソンショウ。


 ハロウィンの女妖魔ギテルベウス。


 ハロウィンの女妖魔マイマイ。


 ハロウィンの女妖魔ヒューイット。


 バレンタインの守護者「バレンタイン・エビル」のグレース。


 バレンタイン・エビルに仕える「三勇士」のブル、ジェット、アローン。


 アローンをヒ◯として養う義理の母娘リリースとイブ。


 宇宙創世より瞑想を続けていた謎の女神カオス。


 ネットの海から誕生したAI世界の女王メロリン。


 そして、天のはたらきを知る宿星に産まれた天機星「知多星」ゴヨウ……


 だが。


「ゴヨウの代理で来ました、メカゴヨウです!」


 ゴヨウの代理に参加するメカゴヨウは、皆に礼儀正しく敬礼した。


 外見はク◯マティ高校に登場するメ◯沢にそっくりだ。


 煩悩を捨て去ったゴヨウの精神がダウンロードされたメカゴヨウは、光の側に立つ偉大な存在である。


「……うおおおお!」


 怒りのチョウガイはメカゴヨウを殴り飛ばした。


 特殊合金製のメカゴヨウのボディーが歪む。チョウガイの凄まじい拳だ。


「な、何をするんですかチョウガイ様!」


「本体の方はどうしたあ!?」


「あ、兄貴落ち着け! 気もちはわかるから!」


 バチバチとショートしながら起き上がるメカゴヨウと、ソンショウに抑えられたチョウガイ。


 ソンショウもチョウガイも、ゴヨウに一目も二目も置いている。それゆえに期待しているのだ。


 だからこそ、本人が来ないのが許せなかった。


「これで活躍して真のヒロインの座を手に入れるのよ!」


「それで夏はセンターを……」


「ケンと私の夏の青春を!」


 ギテルベウス、マイマイ、ヒューイットのハロウィンの女妖魔三人は話しこむ。


「大変ねえ、今夜の献立も考えなくちゃいけないのに……」


「男子高校生の食欲を甘く見てたね」


 リリースとイブは、こんな時に――


 いや、こんな時だからこそ生活を大事にする。


 二人は帝都の某有名男子校寮の管理人だ。


「唐揚げでいいんじゃねえか、人気あるし」


 気楽に言うのは三勇士の一人、双剣の一匹狼アローンだ。


 彼はリリースとイブの寮に住み着いた、いわゆる細くて長い縛るもの、つまり◯モというやつだ。


「魚がいいな……」


 三勇士の一人、ブルは小声でつぶやいた。三勇士最強の彼も、控え目な性格すぎて活躍に恵まれない。


「俺はカレーがいい。たまにはカツカレーとか」


 ジェットはそう言った。彼とブルはアローンと離れ離れになってしまったが、三勇士の絆が切れたわけではない。


「緊張感ないわね……」


 ローレンはため息をついた。


「まあまあ、お姉様」


 グレースがローレンをなだめた。二人は母親同士が双子で、いとこの関係になる。


 ローレンがショートヘア、グレースがロングヘアーということをのぞけば、ほとんど瓜二つだ。


「私はチョウガイ様を守ります!」


 と、ゾフィーは豊かな胸を張って宣言した。


 未来を守るために最も大事なものは、やはり愛かもしれない。


「夏の短編はどうするの?」


「混浴温泉でB級ホラーラブコメの予定みたいよ」


 カオスとメロリンは秘密会議中だ。どうやら炎天下の夏に混浴温泉でロマンホラー!深紅の秘伝説らしい。


 明るく健康的なお色気が男女の魂を輝かせ、人類の未来を創ってきた……


 それは言いすぎだろうか。





 知多星ゴヨウは虚無の彼方をさまよっていた。


 天も地もない暗黒の空間をさまようゴヨウ。


 今の彼は、まるで嵐の夜の海に漂うクラゲだ。


 ゴヨウが意識を保っているだけでも大したものだ。


(ああ、これは……)


 そしてゴヨウは知った。


 運命の三女神。


 人類の進化は、危機に瀕した時にのみあり得る。


 未来を選ぶ者が多ければ、運命は変わる。


 だが価値なきことを証明すれば、宇宙の意思が人類を滅亡に導くだろう。


 ラグナロクとは? 人類の進化とは?

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