超越者の女子会!の巻! 3
「何言ってんだ、あたしの肉体麺打斬刀を見てみろ!」
魔神の一人が――
鬼女が腰の蛮刀を抜き放った。
分厚い刀身に、輝く刃の煌めき。
形状は中華包丁だが、鋭い刃は岩をも断つのだ。
人間の肉体を麺打ちのように切り刻むことが可能だ。
なお、鬼女の趣味は料理である。
「な〜におう〜?」
「なんだよ〜?」
にらみ合う魔神女性。
金剛槍を自慢していた雷神娘と、肉体麺打斬刀を手にした鬼女は、宙高く飛び上がり戦闘を開始した。
「だあー!」
雷神娘が金剛槍を振り回せば、生じた無数の雷が地平線の彼方まで鳴り響いた。
無数の雷が大地を崩壊させ、瓦礫が宙を飛び交う。
「はあー!」
鬼女が肉体麺打斬刀を振り回した。
宙に舞い上がった無数の瓦礫を、肉体麺打斬刀が斬り捨てていく。
天が揺れ、大地が崩壊するほどの女の魔神たちの戦い。
戦女神に仕える黄金の聖なる闘士のような凄まじさだ。
彼女たちの戦いは光すら越えている。
天地崩壊の戦いをよそに、他の女の魔神たちは酒を飲みつつ女子会を続ける。
「男と女でデート……って何すんの?」
「アレするんでしょ」
「アレか、アレなんだ…… 男ってそれしかねえのかよ!」
「そういう風に創られたからしょーがねーよ」
「寂しい生き物だねー、産まれた瞬間に宇宙から切り離されて…… あ、だから夢とか目標に向かってがんばってんのか」
「そうだよ、たまには立派なのもいるじゃん」
そう言ってタバコを吸うのは、いつかリョウマを見逃した女羅刹であった。
虚無の彼方で女の魔神たちは女子会を続けたのでした。めでたし、めでたし。




