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虚無戦線  作者: MIROKU
ラグナロク
84/99

新たな出発!の巻!


   **


 虚無の彼方で凱と翔は暗い空を見上げていた。


 百八の魔星の守護神、凱。


 天間星「入雲龍」、翔。


 彼らは恋人のために未来を守ると決意した。


「あなた達だけじゃないわよ」


 場に現れたのは「レディ・ハロウィン」ローレンだ。


 侍女の「フランケン・ナース」ゾフィーも連れている。


 ゾフィーは頭部の電極を点滅させながら、凱に向かって小さく手を振った。


 彼女は凱の恋人なのだ。


「やつらと戦う武器があるのか?」


 凱はローレンに問うた。


 不動明王の眷属である凱は、手にした黄金の剣で魔を降伏する。


「あるわ、私の魂がね!」


 ローレンは凱と顔を見合わせ、不敵に笑った。


 ハロウィンの守護者ローレンもまた、彼氏のヘイゾウと共に歩む未来を守りたいのだ。


「全く、めんどくさいわね〜」


 新たに現れたのは女の妖魔ギテルベウスだ。


 彼女はハロウィンの夜に現れて「この世」と「あの世」をつなげる存在だ。


 しかし――


「よ、よお。この前はありがとな」


「ど、どうせ美味しくなかったでしょ、あたしが作ったんだし……」


 翔とギテルベウスは男女の絆でつながっていた。


 それこそが人類四百万年の「永遠の形」だ。


 男と女が未来を創ってきたのだ。


「ゾフィーさん…… 素晴らしいチョコをありがとう……!」


「い、いいええ……」


 凱とゾフィーもまた男女の絆でつながっていた。


 二人は見つめ合うだけで満足して死ねる。


「またかよー!」


「デートでホテルとか行ったらどうすんのよー!」


 翔とギテルベウスのツッコミが入った。


 凱とゾフィーは、ハッとした。


「「ホテル……!」」


 チョウガイの脳裏には温泉旅館が思い浮かんだ。


 ゾフィーの脳裏には高級ホテルのスイートルームが思い浮かんだ。


 イメージの爆発は核融合に似た。


 凱とゾフィーの精神世界では、半径数キロメートルが吹き飛ぶほどの衝撃であった。


「我が生涯に一片の悔いなし!」


「もう死んでもいい……!」


 凱とゾフィーの愛のオーラが爆発し、世界に及んだ。


 ひょっとしたら世界は救われるかもしれない。


 凱とゾフィーが結ばれるのは非常に困難だが、だからこそ二人は「不滅の愛」の体現なのだ。


「……もう何がなんだかわかんないから、今日はおしまいよ」


 ローレンはイライラしながら言った。


 二人がうらやましいような気がしなくもない。


 翔とギテルベウスは早くも口論に及んでいる。喧嘩するほど仲が良いというのは真実だ。




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