表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
虚無戦線  作者: MIROKU
レディ・ハロウィン
65/99

レディ・ハロウィン6 未来への期待



   **



 はるかな虚無の世界でローレンは三人の勇士を従えていた。


「姫」


 三勇士の一人、孤独狼アローンウルフは口を開いた。


「……来年もハロウィンナイトは来ますか?」


「ーーもちろん! 長い夜になるわ!」


 ローレンの微笑に三勇士は安心した。


 ハロウィンの「概念」と「存在の意義」を守る守護者ガーディアンであるレディ・ハロウィン。


 そのローレンが言うのなら、来年もハロウィンは訪れるのだ。


 人類はまだ滅亡しない――


「そういえばクリスマスはどうすんだ?」


 三勇士の一人、飛行猿ジェットモンキーは言った。


 彼は完璧商人始祖らが封じられている事を知っている。


 刻の神に仕える時間商人の一人「狂信者ファナティック」によって、正義マンを始めとした完璧商人始祖は動きを封じられてしまったのだ。


 市場経済における「神の見えざる手」と世界の「正義」を司る正義マン。


 更にサンタクロースの正体である白銀マン、暗黒サンタの黄金マン。


 彼らの協力者たる眼マン、奈落マン、痛覚マン、鴉マンもまた動きを封じられている。


 これは人類未曾有の危機かもしれぬ。


 「正義」の概念も、クリスマスの祝福の概念も、今は人の世に存在しないのだ。


 あるのは心の力だけーー


 己の信念に殉じようとする心の強さが、それぞれに相応しい結果をもたらすのだ。


ナザレに丸投げするの? ぶっ倒れるわよ……」


 事態を理解したローレンは青ざめた。


 いつもは気丈なローレンも、今ここにある危機を前にして絶句した。


 と、その時だ。


 華麗にして優雅な人影が、虚無の世界に現れたのは。


 それはまるでイルカが海面に跳び上がったかのような――


「たあー!」


 人影はローレンらの前に降り立った。


 その麗しい姿に三勇士は刮目した。


「グレース様!」


 三勇士の一人、鋼鉄犬アイアンブルは叫んだ。


 グレースとは、バレンタインの守護者「バレンタイン・エビル」でもある。


 ローレンとはよく似ている。ローレンがショートヘアー、グレースがロングヘアーという事をのぞけば、ほとんど瓜二つだ。


 ローレンとグレースは母親同士が双子で、従姉妹の関係にある。


 そして母親同士が先代のレディ・ハロウィンとバレンタイン・エビルだ。


「お姉様、やるしかないわよ!」


 グレースは言った。


 今年は白銀マンも黄金マンも正義マンも動けない。


 ならば誰がクリスマスを祝福するのか?


「私達でやるのよ! クリスマスの祝福を!」


「え?」


「タッグ名は…… そうねえ、ハロウィン・シスターズⅢ(スリー)がいいかしら」


「え、え?」


「おおー! 過去から未来への期待をこめたという事ですなー!」


 孤独狼はダンディな雰囲気をかなぐり捨てて、ハロウィン・シスターズⅢ結成を拍手で祝福した。


 なお、初代はレディ・ハロウィンとフランケン・ナースで結成された。


 Ⅱはローレンとグレース、二人の母親で結成された。


「今年のクリスマスは一味違うぞ!」


 飛行猿も夢のタッグ結成に心躍らせていた。


 聖夜に現れる美人姉妹?のサンタさん……


 それは如何なる結果を人類の未来にもたらすのか?


「知らないわよ、もう……」


 ローレンはため息をついた。


 彼氏のヘイゾウと聖夜を過ごすのは難しそうだ。


「あなた達はトナカイの代わりにがんばってね」


「はあーい! グレース様!」


 グレース(彼氏はいない、バレンタインの守護者は中立である)と三勇士は、来たるべき聖夜という名の聖戦に、心を弾ませていた……






 お わ れ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ