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虚無戦線  作者: MIROKU
狂気的な彼女
51/99

ビッグバトル!の巻! 5 〜復讐の一撃〜


   **


 人類の歴史は男と女が創ってきた。


 今までも、そしてこれからも変わらない。


 人類四百万年の歴史、その真価は今問われているのだ。






 バーチャルゲーム「バトリング」内のイベント、ビッグバトルは続く。


「だあああ!」


 ビキニ姿のメロリンは、対アーマー騎兵ライフルで敵を射撃した。


 長さ二メートル弱、重量三十キロ以上。


 そんなライフルを構え、メロリンは広い荒野という戦場で敵を迎え撃つ。


「ゴヨウのバっカヤロー!」


 メロリンの目はマジだった。


 彼女のゴヨウへの思いは、愛憎入り混じってドロドロしてきた。


 土煙を上げて突き進んでくる敵アーマー騎兵を前に、メロリンは戦いのメイクを施す。


 ――べっとり


 指先につけた赤い染料で、顔に横四本のラインを引く。


 それは機甲ハンターの迷彩だ。


 ――グィーン!


 唸りを上げてメロリンに迫る敵アーマー騎兵。


 高さ四メートルの鋼鉄の巨人が、時速四十キロを越える速度で突き進んでくる。


 その迫力には、生きた心地もしないだろう。


 ――ガガガ……!


 メロリンへの援護射撃。


 ピンク色のアーマー騎兵「ピンクベアー」は、メロリンの仲間カオスの機体だ。


 敵アーマー騎兵が援護射撃を受けて、ローラーダッシュをストップした。


「おりやあああ!」


 ビキニ姿のメロリンは対アーマー騎兵ライフルを構えて、駆け出した。


 線の細い彼女が、持ち上げるのも難しい対アーマー騎兵ライフルを持ち上げて駆け出す姿は、勇ましく凛々しく、艶やかでもある。


 メロリンは敵アーマー騎兵の前方に踏みこみ、ライフルの銃剣を突き出しながら引き金を引く。


「思い知れえええ!」


 メロリンの放った起死回生、最大の一撃パイルバンカー。


 轟音と共に打ち出された鋭い切っ先は、敵アーマー騎兵の装甲を刺し貫いた。


 これが現実であればパイロットは……と、少々恐い想像をする事になる。


 ――Mission complete!!


 空中に浮かび上がる文字は、このステージでの戦闘が終了した事を告げていた。


 メロリンの参加する「チーム・アバキハラ」は連勝街道を爆進中だ。


「ふう……」


「メロリン、やったね!」


 一息つくメロリンへ、ピンクベアーから降りてきたカオスが駆け寄る。


 メロリンはボサボサした長い髪を後ろで無造作に束ね、カオスはサラサラしたロングヘアーだ。


 水着姿の二人が戦場にいるだけで、そこは殺伐とした世界とは違うように思われた。


「ご、ゴヨウめ〜!」


 メロリンは怒り狂った般若の形相だ。


 当然だ、ゴヨウはコピーであるメカゴヨウを残し、ゲーム内からいなくなっている。


 急な別の戦場へ向かったのはわかるが、デートの最中に女の子を置いて帰ってしまったようなものだ。


「女の恨み…… 晴らさでおくべきか〜!」


 メロリンの咆哮がゲーム内の擬似空間にこだまする……

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