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虚無戦線  作者: MIROKU
青い春フェスティバル
33/99

虚無の中で愛を叫ぶ!の巻!3

 ギテルベウスの振り回すチェーンソーの刃にソンショウは青ざめた。


 さくらとこゆきはソンショウの背に避難していた。彼の肩に手を添えながらギテルベウスの様子を伺う。


 ソンショウが二人の女性をかばっているようで、恋人であるギテルベウスが面白いわけがない。


「なあによー!」


 と、ギテルベウスがチェーンソーを振り上げた時だ。


 虚無戦線の空を引き裂いて、何かが飛来したのは。


 尚、チョウガイとゾフィーは暴れまわるギテルベウスに何もできなかった。二人は強すぎる存在だが、突然の非常事態には弱かった。


「ウィンドセイバーだ!」


 ソンショウには見覚えがある。虚無戦線の暗く濁った空を、音速を越える速さで旋回するのは、蛇遣座の女神がゴヨウに贈った黄巾力士(ロボット)、ウィンドセイバーが鳥型に変形した姿だ。


「はあ!」


 そのウィンドセイバーから飛び降りた人影が、ソンショウらの近くに舞い降りた。


「あー、ケンカはやめなさい」


 人影はギテルベウスに言った。


 円柱型のボディーに、細長いワイヤーのような手足を持つロボットだった。


「誰だお前はー!?」


 チョウガイは青ざめながら叫んだ。チョウガイの隣でゾフィーも目を丸くしている。


「やだなあ、チョウガイ様。俺ですよ、知多星ゴヨウですよ」


「あ、俺は知ってるぞ! ク○マティ高校に出てくるメ○沢だ!」


 ソンショウは多少はサブカルに明るい。彼から見た謎のロボットは、○カ沢にそっくりだ。


「はあ?」


 ギテルベウスもチェーンソーを下ろした。さくらとこゆきの二人もソンショウの背でようやくホッと一息した。


「いやあ実はですね」


 ゴヨウと名乗る○カ沢ロボットは勝手に喋りだした。


 地球意思と遭遇したゴヨウは、その後も混沌(カオス)の渦の中をさまよっていた。


「さ、食事にしましょ」


「さくらさんの料理、楽しみ〜」


 さくらとこゆきは地面にレジャーシートを敷き、食事の準備を始めた。ちょっとしたピクニック気分だ。


「そして遭遇したんですよ! 第三勢力である機械世界の女王に!」


 ゴヨウというロボットの話をチョウガイらは聴いちゃいなかった。


 レジャーシートに並べられたおにぎりやサンドイッチ、唐揚げやポテト、更にはビールなどの酒類にワクワクしていた。


「はい、チョウガイさん、あーん」


「あ、あーん」


「あらあ、ゾフィーってばバカップルみたいな事すんのね」


「チョウガイ樣もずいぶん成長しましたなあ」


「わ、私はそんなつもりは……」


「そ、ソンショウ! わしはだな……」


「たくさんありますから遠慮しないでくださいね~」


「さくらさんの料理おいしい! はあー、あたしだったら、さくらさんをお嫁さんにしちゃうな〜」


「こゆきちゃんったら…… わ、私はほら老舗旅館の娘だから料理もできないといけないし……」


 などとチョウガイとソンショウ、ゾフィーとギテルベウスとさくらとこゆき、六人の男女が楽しく食事している傍らで、ゴヨウと名乗ったロボットは喋り続ける。


「人類の未来に関わる重要なお話です、宇宙を創生したのは十二星座の女神+1ですが、男は女が後から創り出した存在なんですよ、そんでもって機械とかAi、更にスマホは男が作ったものなんですよ、女性が機械とか車に弱いのはつまりそういう事なんですよ」


 ゴヨウの話は長い……

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