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虚無戦線  作者: MIROKU
青い春フェスティバル
31/99

虚無の中で愛を叫ぶ!の巻!



   **



 人類の未来を守る戦いは、人の意識の及ばぬ虚無の中で続いている。


 百八の魔星の守護神「托塔天王」チョウガイと、天間星「入雲龍」ソンショウは敵の正体に気づき始めた。


「奴らは未来から来た悪意の精神エネルギー生命体だ」


 チョウガイは言った。


「未来から過去の自分へ悪意を飛ばしている者が山ほどいるわけだ」


 ソンショウは今の世界の荒廃を感じ取る。


 未来の自分が過去の自分へと、やるせない悪意を飛ばすとは。


「人類の未来はどうなるかな」


「死後の地獄は今の自分が作る、それが真実ならば…… 世界人類の平和でも祈って、俺達は死に花を咲かせますか。満足して死ねれば、少しはマシな死後の地獄になるでしょう」


 チョウガイとソンショウは虚無戦線へと向かう。悪とされた彼らが、人類を救うために戦うとは。


「あたしらもいるわよ!」


 チョウガイとソンショウが振り返れば、暗い空と荒廃した大地の虚無戦線に、緑色の髪の美女が立っていた。


「ギテルベウス……」


「ソンショウ、男と女がいないと人類の未来は創れないのよ」


「な、何を言ってんだ」


 ソンショウとギテルベウスがラブコメじみた展開を繰り広げるのを、チョウガイは苦笑して見つめていた。


 そして新たに虚無戦線に現れたナース服の麗しき人影を見た。


「ゾフィーさん……!」


「チョウガイさん……!」


 チョウガイとゾフィーの二人は駆け寄り、抱き合った。


 チョウガイもゾフィーも涙が出た。


 二人にあるのは「不滅の愛」だ。


 その宿命ゆえに、二人はなかなか会う事ができない。


 だからこそ会った時の喜びは、永遠の感動だ。


「これで死ねる……!」


「もう死んでもいい……!」


「ちょっと待て二人とも!」


「ハグしたくらいで満足して死ぬんじゃないわよ!」


 チョウガイ、ゾフィー、ソンショウ、ギテルベウス。


 四人の男女が紡ぐのは思い出だ。


 感動の涙と、喜びの笑顔だ。


 そして魂の成長だ。


 それがある限り、彼らの魂は決して地獄に落ちないだろう。


「死ぬくらいなら(ピー)とか(ピー)までしなさいよ!」


 ギテルベウスの激しい言葉に、チョウガイもゾフィーも、ソンショウまでもが赤くなった。


 ギテルベウスの女子力が案外、世界を救う一助になるかもしれない。

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