はるかなる場所へ!の巻!
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知多星ゴヨウはヘッドガンを駆り、いくつもの時空で「混沌」と戦い続けた。
果てしなき闘争の果てにたどり着いたのは、深く広大な闇であった。
ゴヨウは、その闇の中に横たわる巨大な裸身を見た。
全長十メートルを越すヘッドガンと比較しても、まるで蟻と象ほどにサイズが違う。
「これは……」
ゴヨウの全身を戦慄が駆け抜けた。
丸みを帯びた肢体は女性のようだが、あまりにも巨大すぎる。
その女性が横たわったまま突然、目を見開いた。ゴヨウの全身を体験した事のない恐怖が駆け抜けた。
ゴヨウは混沌の空間を抜けて、遂に遭遇したのだ。
この惑星に住む全ての命の源――
地球意思というものに。
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新年早々、翔とギテルベウスは喧嘩していた。
「あんたってやつは!」
「ぐは!」
振袖姿のギテルベウス渾身のドロップキックが翔をふっ飛ばした。
初詣にと、ギテルベウスはせっかく振袖を用意したのに、翔は無視したからだ。
「だってよお、照れくせえじゃねえか、キレイだぜ!なんて……」
「むきゃー!」
ギテルベウスは翔の背後に回り込んで組みつき、伝説の必殺技「パロ・スペシャル」をしかけた。
「キレイだなんて何を言ってんのー!」
「いででででー!」
顔を真っ赤にしたギテルベウスのパロ・スペシャルが完全に決まった。翔はもはや逃げる事はできない。
「全く、正月早々から……」
「うふふふ」
そんな二人のやり取りを剴とゾフィーは苦笑しながら眺めていた。
人類の未来は、男と女が創ってきたのだ。
今までも、これからも。
そうであってほしい。




