超越者の女子会2!の巻!
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リリースとイブ。
かつて悪の組織の首領と幹部だった母娘は、今では帝都の某高校寮の管理を任されていた。
「ねえ、ママ。あいつのベッドの下からこんなの出てきたんだけど」
「んまあ〜……」
イブが手にしたDVDを横目で眺めて、リリースはニヤニヤしていた。
「男ってこういうの好きなんだ〜」
イブが手にしていたのは秘密のDVDだ。
一つは寮母さんがテーマ?で、もう一つは妹の友人がテーマ?なDVDだ。
「か、彼の趣味なんじゃないかしら」
ツンツンしながら髪をかき上げるリリース。鬼◯の刃の炭◯郎の母によく似たリリースは、寮生にとっては第二の母だ。
外見は二十代半ばだろうか。二十歳前後のイブとは、少し年の離れた姉妹のようでもある。
「ねえ、観ちゃおうよ!」
「あ、あなた何を言って……」
「ママも最近キレイになってきたしさ、やっぱりお色気が必要なのよ!」
「……最近? 最近って何?」
「よーし、お茶とポテチを用意して〜」
「ちょっとイブ。最近って何よ?」
こうしてイブとリリースはお茶会を兼ねたDVD鑑賞会を始めた。
実は本当の母娘ではない。また、人間ですらない。
寮に寄生しているアローンは、旧約聖書に二人の正体が隠されていると推測していた。
だが正体はわからない。リリースとイブは平和を象徴しているが、かつては悪だったのだ。
彼女たちが人類の未来にどのように関与していくのか、今後の展開は要観察だ。
虚無戦線では魔神たちが――
女の姿の魔神たちが、やはり女子会を開催していた。
「見ろ、この金剛槍!」
「スゲー!」
と、武装した女の魔神たちは己の武具を自慢しあっていた。
物騒な話題だが平和だ。