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ゴーストシップ1  作者: 薙野
23/28

試練

 ホーリーシップは奇襲に失敗した人々を回収した。

 どの顔も打ちひしがれていた。

「カトリーヌ。人を殺してしまった」

 エルネストは右手で髪の毛を握った。

 カトリーヌは思った。

 可哀想な坊ちゃん。

 魔獣、幻獣、アンデットは倒せても、ヒューマノイドタイプは決して殺さなかった。

 そんな依頼も受けなかった。

 偶然出会ってしまったら脅して追い払った。

 優しい人。

 同時に心を殺すことも出来なかった。

「坊ちゃん、それはあなたが一人で乗り越えなくてはならない試練です。

 大丈夫です、女神ソフィアはその人に乗り越えられない運命を与えはしません」

「ああ、そうだな」

 ゴーストシップが空中に浮き上がる。

 彼らが最後の突撃を敢行してくる。

 船内にドヨメキが起こる。

「あの船を撃沈しろ」

 グレゴリが叫んだ。

「無理です。

 病院船ですょ、攻撃できる魔法使いは乗っていない。

 いったい何を期待しているんですか。

 持ち込んだ携帯機関銃で武装が最高ですよ」

「確か作業用の水陸両用巨神兵を積んでいたな」

「いまさら、いったい何をするつもりだ」

「マールズを追うに決まっているだろう。

 あの帆船が突っ込んで来たという事はマールズは降りている」

「アンタ、どんな過去があれば、どんな怒りがあれば、女の子をそんなに憎めるのですか」

「ヤツは吸血鬼(ヴァンパイヤ)だ。根絶すべき人類共通の敵だ」

「あなたは悲しい人だ」

 黙ってグレゴリは巨神兵へ向かっていた。

絶対魔法防御(アンチマジックシェルはもういい。

 総員退避しろ。

 船足は向こうのほうが早い。

 攻撃魔法は使っていない。

 飛行石を爆発させる気かも知れん」

 エルネストが逆方向に歩き出した。

 船内の部屋につくと魔法陣を起動する。

 聖印を結んだ。

 青白い光が船から発せられる。

「坊ちゃん。何をやっているんですか、

 早く脱出しないと、

 最後の船が出てしまう」

 脱出を指揮していたカトリーヌが走ってきて扉を開けた。

 部屋の魔法陣が最大限輝いていた。

浄化(ピュリファイン)だ、ゴーストシップが爆発する前に、乗組員の魂を一人でも多く輪廻転生の環に引き戻す」

「坊ちゃんが何故そこまで背負わなくてはいけないのですか、アンデットは強制された人もいたでしょうけど、多くは死の精霊の引導を拒み、未練を選択した人々。

 坊ちゃんが命をかけてまで救われる資格はない」

「ゴーストシップの最期に対する、ホーリーシップの意地だ。

 誰かが聖印を維持せねばならない」

「坊ちゃん、止めて」

「カトリーヌ。

 最後のお願いだ。

 聖剣(ディバインソード)を両親に返してくれ。

 立派だったと伝えてくれ。

 そして一族の掟を忘れて自由に生きて」

 聖剣(ディバインソード)を投げた。

「イヤです。坊ちゃん。

 聖剣(ディバインソード)人魚(マーマン)半魚人(ギザオン)に拾われて伯爵家に戻りますょ。

 血縁の中からしか選ばれないのですから」

 カトリーヌがエルネストに抱きついた。

「坊ちゃん、あなたが死ぬ時は、私が死ぬ時です」

「馬鹿が・・」

 魔法の光が2人を包む。


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