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7.王妃殿下――「陛下」か「殿下」か

2024年11月17日に一部書き換えました。

2025年3月23日に、注釈を追記しました。

※本稿は、ウェブ小説でよくある異世界、特にヨーロッパ風異世界(なーろっぱ)における王妃の敬称はどうすべきか、という話をしています。


 王妃に付ける敬称について「陛下」か「殿下」かで、一部、争いがあるようです。

 もともと「陛下」という敬称は、日本では(東洋では)天皇・皇帝にしか使われない、ということらしいです。

 実際、日本では、養老律令のひとつ「儀制令(ぎせいりょう)」において、皇后(と皇太后・太皇太后)の敬称は「殿下」であると定められていたそうです。そして、養老律令は形式的には明治まで有効だった(!)とのこと。

 しかし、1889(明治22)年に制定された(旧)皇室典範では、皇后(・皇太后・太皇太后)の敬称は「陛下」とされ、現行の皇室典範でも同様です。


 なぜ変わったのか、私は知りませんが、想像はつくところでしょう。

 欧州において、国王や皇帝の妻の敬称に、国王・皇帝と同じ「Majesty」や「Majesté」を使っているのに、日本において、外国の王妃の敬称を「殿下」としたり、日本の皇后の敬称を「Imperial Highness」にしてしまうわけにはいかないでしょうから。


 結果、現在の日本政府は、皇后の敬称を「陛下」としているし、王妃の敬称も「陛下」としています。

 なので小説中でも「陛下」で問題なし、と思います。

 特に、舞台がいわゆるナーロッパ世界なら、ヨーロッパ風にするのが自然でしょうし(もっとも、近代より前の日本が舞台なら「皇后殿下」にすべきでしょうが)。




 念のために言うと、日本政府が王妃の敬称に「殿下」を使っている例も確かにありました。

 が、これはちょっと特殊例のようです。

・その1.

 スワジランド(現・エスワティニ)から来日した要人の表のうち、2013年7月の項

――――

ンガンガザ王妃殿下,マゴンゴ王妃殿下,ンテンテサ王妃殿下,ンカンブレ王妃殿下


外務省サイト エスワティニ基礎データ「要人往来」

  https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/eswatini/data.html#section6

――――

 王妃が4人……。来日したのが4人ということで、全員だと2桁とか。


その2.

 ヨルダンの国王夫妻が来日した際の、天皇(現・上皇)陛下の「おことば」(1999年12月1日)。

――――

この度,ヨルダン・ハシェミット王国アブドッラー国王陛下が,ラーニア王妃陛下と共に国賓として我が国を御訪問になりましたことに対し,心から歓迎の意を表します。……

 顧みますと,私どもが初めて貴王室の方にお目にかかったのは,1970年,大阪万国博覧会の機会に,陛下の母君モウナ・アル・フセイン王妃殿下が……我が国を御訪問になった時でありました。

 父君フセイン国王陛下には,1976年,アーリア王妃陛下……と共に,国賓として初めて我が国を御訪問になりました……


 宮内庁サイト 「国賓 ヨルダン国王同妃両陛下のための宮中晩餐」

 https://www.kunaicho.go.jp/okotoba/01/okotoba/okotoba-h11e.html

――――

 こちらでは、「陛下」と「殿下」の両方が出てきます。

・アブドッラー国王の母として「モウナ・アル・フセイン王妃《《殿下》》」

・アブドッラー国王の父(フセイン国王)の妃として「アーリア王妃《《陛下》》」

 現国王の父には、アーリア王妃とモウナ・アル・フセイン王妃の(少なくとも)2人の妻がいて、おそらく第1夫人が「王妃陛下」、それ以外が「王妃殿下」と使い分けられているのでしょう。


 つまり、王妃の敬称が「殿下」になるのは、一夫多妻のケース、ということのようです。


 ヨルダンの例からすると、正妃は「陛下」、側妃は「殿下」という使い分けもできそうですね。


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