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番外 鳴き砂~「なく」んじゃないよ「なる」んだよ
あるニュース。
「鳴き砂で知られる○○海岸の保全活動をしている『鳴り砂を守る会』は……」
この文を書いた人、おかしいと思わなかったんでしょうか。
踏むとキュッキュッと音を立てる砂は、一般的に「鳴き砂」と呼ばれています。
しかし、「なく(鳴く・泣く)」という言葉の対象になるものと、「なる(鳴る)」という言葉の対象になるものを考えてみて下さい。
・なく
赤ん坊がなく。ネコがなく。
・なる
ベルが鳴る。雷が鳴る。
「なく」は、人間や動物が自分の意思で音を出していることを指し、「なる」は意思によらずして音が出ている状態を指します。
であるなら、砂が音を出すのは「鳴る」ですから「鳴り砂」と呼ぶべきものであるはずです。
聞くところによると、最初は「鳴り砂」と言っていたのだが、マスコミで「鳴き砂」という表現が使われて定着してしまった、とのこと。