13-2.「輩出」――1人だけなら使えない
・「北宇治高校は、今年初めて、京大への現役合格者を“輩出”した」
・「わが家から王妃を“輩出”することしか考えていない」
「○○から××が出る」という意味での「ハイシュツ」について、ソシャゲのガチャでの使い方に影響されたのか「排出」と書いてある例がよくありました。
最近は、「排出」だと「要らないものを捨てる」の意味になってしまう、という認識が広まったのか「輩出」と書いてある例が一般化したように思います。
しかし、この「輩出」という言葉は
・「続々とつらなり出ること。多く、才能あるすぐれた人材に言う」(『広辞苑』第6版)
・「すぐれた人物が次々と世に出ること」(『明鏡国語辞典』第2版)
という意味です。
つまり、「出た」のが一人だけならこの語は使えないのですが、その点が一般には認識されていないようです。
・ただしい使い方
「花巻東高校は、大谷翔平・菊池雄星など、多くのプロ野球選手を輩出している」
「ホワイトリバー侯爵家は、何人もの騎士団長を輩出している、武家の名門だ」
・間違った使い方
「北宇治高校は、今年初めて、京大への現役合格者を輩出した」
「私は何回も、父に婚約解消を願い出たが、父は伯爵家から王妃を輩出するという、前例のない“栄誉”に目がくらんでいて応じてもらえなかった」
ところで、では、間違った使い方の「輩出」をどのように修正したら良いか、という点になると、実は私も悩みどころなのです。
「輩出」を上手く言い換える言葉が思い浮かびません。多くの場合、「出る」「出す」としか言い換えられないのですが、どうもしっくりこない感じがします。




