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15.「通りで」じゃなくて「道理で」――「お」と「う」のわな
「通りでおかしいと思った」とか「通りで変だったんだ」などという表現をよく見かけます。
意味からして、この場合、「通りで」ではなく「道理で」のはずです。
発音が「どーりで」なので、 「どおり」と打ってしまった結果、「通り」に変換されてしまったのでしょう。
「道理で」のかな表記は「どうりで」です。「どおりで」ではありません。
「道路」や「北海道」を、かなでは「どおろ」や「ほっかいどお」とは書かないのと同じですね。
……といいたいところですが、実際問題、オ列(おの段)の長音をかなで書く場合、「う」か「お」かで迷う場面は少なくありません。
現代かなづかいでは、 オ列(お・こ・そ・と・の・ほ・も・よ・ろ)の長音は、原則として「う」で表し、「お」とするのは例外、ということになっています。
・原則
おうさま(王様)
おとうさん(お父さん)
とうきょう(東京)
きのう(昨日)
・例外
とおる(通る)
おおい(多い)
おおきい(おおきい)
こおり(氷)・こおる(凍る)
とおい(遠い)
とどこおる(滞る)




