9話 アメリカ人のベクターさん
僕は、落とし物を拾った。
僕は、流れ星を見た。
そして、不思議なアメリカ人に出会った。
その人はアメリカ人ではあったけれど、普通に日本語を使えるようだ。
座り込んでいるその人は、周囲を見渡す。
自分でも何が起こったのか分かっていない。
朝霧 境「大丈夫ですか?立てますか?」
僕はその不思議なアメリカ人に声をかけた。
朝霧 境「貴方の、名前は?」
聞くとそのアメリカ人は名前を名乗る。
????「私は…ベクター・ロダン。…アメリカ空軍の…軍人だ。」
ベクター「私はアメリカ空軍で…先程まで作戦を遂行していて…気がついたら、ここに。
ここは何処なんですか?」
朝霧 境「ここは、日本です。」
ベクターさんも、自分に何が起きたのか、全く分かっていないようだ。
今ここに自分がいる。
その理由も分からない。
ベクターさんについてわかるのは、作戦中に嵐に巻き込まれた。
そして、嵐の中で何者かに話しかけられた。
その者は、長いひげと長い髪を生やした高齢の男性だったという。
ベクターさんはその男性に話しかけられ、それ以降の記憶が飛んでしまった。
そして、気がつくと見知らぬ土地に自分が居て、迷って、現在に至るらしい。
朝霧 境「ベクターさん。取り敢えずこの町の役場に行きましょう。助けてくれると思います。」
ベクター「感謝します。貴方は、なんとお呼びすれば?」
朝霧「朝霧でいいですよ。」
ベクター「分かりました。朝霧さん、ありがとうございます。」
そうして、僕はベクターさんとともに役場に向かった。
しばらくして、僕たちは役場に着いた。
朝霧 境「つきましたよ。」
ベクター「ありがとうございました。助かりました。」
ベクターさんは感謝を述べ、僕と別れ、役場に入っていった。
8月18日金曜日は、そんな日だった。
朝霧 境「明日は、久しぶりに買い物に出かけるか。」