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4話 生活の光
あれからさらに下った。
山の木々は少なくなり
人が生活している家が増えてきた。
山の麓の小さな町。
美咲野1番街
あの山で迷った時はヒヤヒヤしたけれど。
どうにかこの町までたどり着いて良かった。
まだ朝早いのに、この町の住民はホント早起きだ。
比較的高齢者の多いこの町だから、早起きな人が多いのは当たり前かな。
年配の方は、早起きな人が多いイメージもあるし。
今は何時だ?
時計を確認するとAM10:00だった。
あぁ、そりゃあそうか。
10時なら、流石に起きてるか。
起きてるどころか平日なら学校に行ったり
仕事に行ったりしてるだろうな。
そういえば、僕も今日仕事だ。
無断欠勤してしまったのか…
あ~あ、楠本社長に怒られるなぁ
鬱だ。あの人は苦手だ。
僕が入社した時からずっと。
悪い人ではなく、ただ性格相性の問題だから、出来る事もない。
家に帰って、スーツに着替えていくとするかぁ~
あ~いくかぁ……
境は嫌々ながらスーツに腕を通し
会社へと向かった。