3話 山道で見た悪夢
さっき、山道で見たあの悪夢は、気持ち悪い位のリアル感があった。
僕が見た夢が、本当に予知夢だというのなら、世界は、暗闇に覆われてしまうってこと?
いや、まさかな。
そんなの、いくらなんでも非現実的過ぎる。
色々と長考していると、すっかり太陽が昇り
薄暗かった山の地面を、朝焼けで染める。
朝日がふと僕の目に入る。
僕は、その眩しさに堪らず目を瞑る。
太陽熱により、僕の体は温められ、寒さで悴んでいた体は、いつもの動きを取り戻していた。
ゆっくりと、一歩一歩山道を踏みしめて、着実に下山していく。
僕は、そう簡単にくたばったりしないんだ!
そう、心の中で唱えながら下山していった。
ひたすらに歩いていると、数台の車が止まっている駐車場に辿り着いた。
この駐車場は、山登りに来た客が、車を停める為のスペース
分かりやすく言うならば、富士山の5合目だ。
この山は、富士山よりも全然低いし
もう余裕のようだ。
山道を歩きつつも、あの悪夢が僕の頭の中から、ずっと離れてくれない。
夢を夢と投げ捨てるのは簡単だ。
でも、違和感が残る。
とても、あの夢を夢で終わらすことは、出来なかった。
……僕は、どうして、あの夢にここまで拘るのだろう?
それは、自分でも分からない。
でも、無意識下で無視してはいけないと、そう思っているのかも知れない。
それなら、今後も悪夢を見たりする事が、あったりするのだろうか。
辛いな。それ