2話 黄昏の悪夢
次の日、僕は早朝に目を覚ました。
誰かが何処かから、僕の事を見ている気がする。
不安が大きく募っていて
そんな錯覚を、覚えてしまっていた。
まぁ、実際のところは、誰も、何処にも人に見られてもないし
居もしない。
分からないけれど。
僕のことを、本当に誰かが見ているのなら、
隠れてないで、姿を見せて、そして
僕のことを助けてはくれないだろうか?
なんて、思ってみたり。
この見られていると感じる。
錯覚の視線の方角とか、分からないのだから。
だから、本当に見られている訳ではない。
僕が、そう錯覚しているだけ。
おそらくは、不安から来る錯覚なのだろう。
夢を見る。
そして僕は、夢を見るといつもこう思う。
本当に、世界がこんな夢の中の様な世界になれば、幸せなのに。
現実がそうならないのは分かり切った事だから。
それならいっそ、一生この夢の中の世界に浸りたい。
それは怠惰な事だと、自分でもそう思える。
そんな僕は、浸っていた夢の世界を離れ、現実へと帰還する。
僕は、目を覚ます。
目覚めて、少し残念だと思う。
そう思うのは、いつも自分の理想的な世界を夢の世界に作り出しそれを見ているからだと。
そう思う。
間違えてはいない。
いつもなら。
しかし、今日だけは違う。
今日見たあの夢は、到底理想的な世界とは程遠い。
あの夢は、悪夢だ。
何だったのだろうか?
あの悪夢は…
予知夢とかそういう物か?
いや、それは無いか…
僕には、そんな能力なんて、持ちえないだろう。
それでも
あの気持ち悪い位のリアル感。
そして、息苦しさがあった。
この世界は…