優しすぎる青年
どんだけ新作作るんだって話ですが許してください。
「お前は優しすぎるんだ!!!!!!!!」
今日も今日とて青年は怒られていた。武士一家の長男として生まれた青年は自称名家出身の叔父にこってりしぼられていた。
「で、でも…」
「でもじゃねぇんだ!てめぇは子供一人くれぇ引っ叩くことができねぇのかっ!」
青年の家は貧乏だが、叔父は名家出身を自称するだけあって金持ちなのででかい家に住んでいた。しかし、最近近所の悪ガキどもがいたずらをするらしく、叔父自身は忙しいので青年を呼んで追い返してもらおうと雇ったのであった。
しかし、見ての通り青年は非力で臆病なので、いや、青年は優しすぎたので悪ガキどもにされるがままだったのだ。
「てめぇのせいでまた庭が荒らされたじゃねぇかっ!」
「ご、ごめんなさい…」
「もういい!帰れ!もうお前なんぞには頼まない!」
「えっ…でも…!」
「うるせぇ!とっとと帰りやがれ!」
さっきも言ったとおり、青年は貧乏なので金が必要だった。なので叔父から仕事を誘われたときはたいそう喜んだそうだ。しかし、見ての通りクビになってしまったので彼はまた職を探さなければいけなくなった。
「どうしよう…今日のご飯も食べれないかもしれない…」
そのときだった。唐突に一筋の光が青年を差したのだ。
「わっ!?何…?誰か!助けて!」
光は瞬く間に青年を包みこみ、空の彼方へ消えていった。
まさしく一瞬のことだった。
「おい、修一郎!さっさと帰ってこい!」
彼はもうこの世界にはいない。
「あいつどこに行ったんだ…?まあすぐ見つかるだろうから帰って酒でも飲むか!」
なぜなら別の世界へ飛ばされたのだから。
どこかの誰かによって。