表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつかの春に  作者: 村井なお
第四章 冬の向こう
19/21

19. 私は答えを知っています

 時計の針が動いています。


 緩やかに。それでいて確実に。


「天城さん。やっぱそろそろ時間ヤバい?」


 宇佐美さんがそう尋ねてきました。私が腕時計を気にしているのを見てとったのでしょう。


「……そうですね。今日は東京で先生の許へご挨拶に参じる予定でして、遅れるわけにはいかないのですが」


 羽沢先生のお宅には十三時にお伺いするという約束になっています。東京駅からお宅までには一時間程度かかることを考慮しますと、そろそろ名駅に向かわねばなりません。


「私は、予て為した不義理を先日お詫びしたばかりの身です。流石にこれ以上の非礼を重ねるわけには……」


「それは遅れるわけにいかないね」


 先ほどから小室さんは近傍を歩き回っています。


 私も立ち上がり、足腰をほぐしました。


 天井近くの窓から外の明るさが差し込んでいます。雲は遥か高くにあり、空は微かに白く霞んでおります。


 もう少しで私の夏が終わります。


 間もなく冬が来ます。


 冬の寒きに木の葉枯れ落つるは何の為か。


 私はその答えを知っています。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ