テンプレ
「ナオシー!ビンの蓋があかないから開けてー!」
「硬いなら蓋のフチの部分を少し火で炙るといいぞー。ライター貸すか?」
こんなやり取りができるようになるまで本当に苦労した。
リーナに初めてライターを見せた時は大はしゃぎで何コレ!?状態で手がつけられなかった。
マーナルという国のリーナに出会ってから一月経った。ボロボロだった体もなんとか不自由なく動くようになってからやった事はリーナの家の手伝いくらいだ。
薪割りに洗濯、飯を作ったこともあるが日本食は口に合わなかったらしい。それ以降はリーナが食事を作るようになった。
「ナーオーシー!あーけーてぇー!」
「あー、わかった!わかったから!」
根負けしてリーナのは側まで行きビンを手渡される。カポっというこ気味のいい音と共にの柑橘類の甘酸っぱい香りが鼻につく。
「ほい」
っとフタの開いたビンを手渡す。するとリーナはありがと、と言い再び料理に戻る。
しばらくすると何かを思い出したように口を開いた。
「ナオシ、そう言えば最近この当たりで野盗が出たって〜」
「ん?まじで?」
興味が全くもって無いから適当な返事を返した。
「本当らしいよ、この間おじさん達がなんか話してたし。」
聞き流しながら適当に相づちを打つ。それにしても野盗か、何人くらいでどんな装備なんだろうか?念の為に89を整備しとくか。
....とりあえず煙草が吸いてぇな。
「ご飯出来たから運ぶの手伝ってー」
考え事をしていたらリーナの料理が出来たらしい。あいよーっと返事をしてから手伝おうとしたら立つタイミングに合わせたようにドアを叩く音が聞こえた。
「あ、ナオシー私が出るからご飯運んでおいて!」
「わかった」
出ようと思ったがそう言われてしまっては仕方が無い。素直に従って台所に皿に盛られた飯を取りに行く。
「え!?」
リーナの声が家の中に響く。
「おーい、どうしたー?」
「ナオシ!ちょっとこっち来て!」
「あ?」
呼ばれたから行ってみるとお隣の小太りのオッサンがいる。
「どうしたの?」
そんなことを聞くとリーナではなくお隣さんが間髪いれずに
「野盗だよ!野盗がここに来やがったんだ!!」
え〜、何だよそのラノベのテンプレみたいなやつ....。