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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

企画参加作品

ここは

作者: 奈月ねこ

企画「ヒヤゾク」参加作品です。

 寒い。


 僕は目が覚めた。一面真っ白な雪の中。ここはどこ?僕はどうしてここに?そもそも僕は誰?

 僕はのっそりと立ち上がった。お腹が空いた……。何か食べ物が欲しい。でも吹雪いていて、先も見えない。

 どこかへ行かなければ僕は飢え死にしてしまう。僕は当てもなく歩き始めた。どこへ行けばいいのだろう。僕は歩き続けた。空腹を満たすために。


 ここはどこ?歩いても雪だらけ。でも山の中だということはわかった。傾斜がある。上へ行くべきか、下へ行くべきか……。


 ごはんはきっと下にある……!何故か僕の中で確信があった。僕は山を降りて行った。


 何かがいる。


「ひい!」


 あれは何?


「く、来るな!」


 何だろう、これは。ごはん?僕は一歩一歩近づいた。


 カチャ、ドン!


 痛い。僕の左肩に何かが当たった。赤いものが流れる。何故こんな目に?僕は『それ』に近づいた。


 カチャ


 また痛いのがくる!


 ザッ!


 僕は咄嗟に手を振り上げ、『それ』を引き裂いた。『それ』から赤いものが流れている。


「た、助けてくれ……」


 いい匂い。これが僕のごはんだ。


「ぎゃあ!」




 そうか。僕は『それ』に『熊』と呼ばれていた。思い出したよ。そして『それ』は『人』だった。『人』って美味しいね……。

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― 新着の感想 ―
[一言] ヒヤゾク企画、楽しみにしておりました。 (他作品もこっそり拝読しております) ほのぼのとした雰囲気かと思いきや、まさかのがっつりスプラッタ。企画の告知の際に「あんまり怖くないらしい」と聞いて…
[一言] 読ませていただきました。 「それ」は食べられる運命だったのかもしれませんね。熊が目覚めてしまったわけですから。
[良い点] 童話風な可愛らしい出だしが……。 ひぇ! こ、これは少し前にニュースで話題になった○喰い○マですね! 『僕』のバッドエンドかと思いきや……『それ』側の恐怖にチェンジΣ(゜д゜lll) やは…
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