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転校生に百合の花束  作者: 惷霞 愁灯
第一章 発芽
5/32

五輪目 友達

ある日の昼休み______


「じゃあ、中庭いこ。」

「うん」

いつも通り、古都葉と京香は中庭で各自の弁当を食すつもりだった。

「ん?」

教室を出ようと思った京香が、辺りを一瞥すると、葵は自席で、一人ぼっちでお弁当を食べていた。挨拶する男子はいるものの、声は掛けてこず、また葵も声をかける勇気が無いように見えた。

「一緒に食べようって誘わないの?」

「な、なんで私が誘わなきゃいけないのよ!私は古都葉と2人っきりでいいもん」

「それは嬉しいなぁー。けど、葵くん。これじゃあ、多分あのままだよ?いいの?」

「っ、それは……」

「ほら、いってきなよ!」


______


「誘ってくれてありがとう、僕、友達ってどう作ればいいのかわかんなくて……」

「小中学校では、どうしてたのよ」

「学校には、僕含めて三人しかいなくて……ほとんど近所の知り合いだったから」

そりゃそうかと、京香が納得した顔をする。

「じゃあ私達と友達になってくれるよね?」

「え?」

古都葉がふいに投げ掛けた付加疑問に、2人はキョトンとしていた。

「え……ほんとに!?」

「仕方ないわね……じゃあ、あんたのこと、これから葵って呼ばせてもらうよ」

「じゃあ僕も、京香さんと、古都葉さんって呼ぶね?」

「好きにしなさいよ」

「私は古都葉って呼び捨てでもいいよ?」

中庭には、初夏の緑々しい風が吹き抜けた。



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