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転校生に百合の花束  作者: 惷霞 愁灯
第四章 果実
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三十一輪目 訪問

「あおいー」

「どうしたの?京香ちゃん」

「見せたいものがあるんだけど、今日この後って……」

「うん。特に用事はないよ?」

「じゃあ、これからウチに行こう」

目的は不明確であったが、葵は素直に従った。前回は葵の家に京香が来たので、次は京香の家にお邪魔したいという気持ちもあった。

「なんか雲行きも怪しいし」

「そうだね。雨降るかな?」

「夏はよく雨降るからねー」

雷雲ではないものの、鈍色に染まった空からは、不穏な雰囲気が漂っていた。


※※※


「お邪魔しまーす」

葵の家から1km離れてるから離れてないかの距離に、それは佇んでいた。決して豪華とは言えないが、プランターには様々な花や草木が生えている。ドアをくぐると、無機質ながらもどこか温かみを感じれた。インテリア等はなく、壁、ドア、床だけ、とシンプルな作りになっていた。

「玄関にある花とかはほとんど古都葉がくれたんだよ」

と京香が話すのと同時に、向かいの(おそらくリビングに繋がる)ドアが空き、1人の女性が出てきた。

「あらー、こんにちは。京香が古都葉ちゃん以外を連れてくるなんて珍しいわねー。しかも男の子なんて」

学校帰りの、制服のままだったので、男の子と認識されたようだった。

「は、はじめまして!ぼ、僕は葵っていいます!あ、あの、京香さんとはお付き合いされて頂いて貰っててて、そして」

「え!あら!?そうなの!じゃあお母さん邪魔しちゃ悪いわね」

頭を下げてる葵に反して、京香はにんまりしてる母をリビングに追いやっていた。



「別に付き合ってるまで言わなくて良かったのに」

「ごめん。なんか緊張しちゃって……」

今は京香ちゃんと部屋に来た。どうやら話によると、京香ちゃんは今まで付き合った人は、一回も家に呼んだことがない。その事に少し喜べたが、しかし女の子としての一番乗りは古都葉の為、少し嫉妬しているのが、葵自身にも分かった。

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