三十輪目 水泳
最近、書く頻度が落ちたせいで、時間軸を把握してません。けど、プロット当初から書きたかった事なので見てくれると嬉しいです。
真夏のある日
その日は水泳の授業だった。朝からお腹が痛く、女の子の日が近い京香は、授業を見学した。プールサイドの対には、男子が群がり、時折女子の方へ視線を寄越す。
園芸部員に、葵の本当の性別を伝えたは良いものの、クラス全員が同じように受け入れてくれるとは思わず、未だ真実は隠していた。そのため、葵は今まで通り上半身裸である。
前に、男子に疑われるのでは?と葵に質問したら「うーん。僕はそんなこと言われたことなかったなぁ」と返したのを思い出す。
久しぶりに見学して葵に注目すると、確かに男子は葵ではなく、クラスメイトの巨乳ちゃんばかりに目がいってる。
「女子って認識されないと、ちっぱいって価値ないのかな……」
ボソッと呟く。 自分の胸部に手を当てても、弾力のある反発感はなく、しっかりとした土台があった。生ぬるい風が、体育着と肌の間をすり抜けた。
※※※
帰り道。葵に、着替えの時はどうしてるの?と尋ねてみた。
「男子も基本は腰にタオル巻いてるから、見ることも、見られることもそんなにないよ?」
そういうものなのかと納得した。今まで男子は全裸ではしゃぎながら着替えていると思っていたので、少し衝撃的だった。
手をつないで帰ることが習慣化している。そんな些細な事を2人で笑いながら道を進む。
夕焼けは綺麗に見えず、曇り空が天空を占めていた。




