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三輪目 心配
「はあぁーーーーーー」
長い溜息は、先程とは雲泥の差がある。
「さっきは、どうしたの?スゴイ勢いで出て行って」
「あー、【古都葉】(ことは)か」
京香が信頼をおける、高校内で唯一の親友と言っていいだろう。ふんわりした髪は腰まで伸び、少しぽっちゃりしてるが、それがまた愛らしさをだしている。
「実はさ……あの趣味がバレちゃって」
「え?コスプレして街の中歩くやつ?」
「ちょちょちょちょ、ここで言わないでよー!」
教室は葵に人集りがあり、騒々しかった。恐らく、聞こえなかっただろう
「そう、それよ。はぁー、どうしよう誰かに話されたら。私の高校生活がっ!」
「どこで歩いてたのー?」
「ちゃんと隣町まで行ったわよ!けど、あいつ方向音痴らしくて、降りる駅の数駅手前で降りちゃったらしくて。」
「それで歩いてたら鉢合わせちゃったと」
「そゆこと……」
古都葉は暫く黙り込んだ後、肩を叩き「ドンマイっ!」と励ました。
古都葉はチョップをくらった。