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転校生に百合の花束  作者: 惷霞 愁灯
第三章 開花
24/32

二十四輪目 不変

500字に安定してなくてすいません泣

今回はちょっと多めです……

月曜日。

葵は、怯えながら登校していた。自分の無知で人を傷つけてしまったのではないかと。そんな事が頭を駆け回り、赤信号に気付かず渡ってしまいそうになった時もあった。


通学路の先に京香と古都葉が歩いていた。歩くペースは自分の方が早いが、抜かせない。けど、話しかける事もし辛い。葵は2人の後ろを付けて行った。しかし、その状態になった2分後、不意に古都葉が後ろを向いた。

「あ!葵くん!じゃなくて葵ちゃんがいいのかな?」

「ちょっ!古都葉何言ってるの!」

古都葉は全て知らされてるようだった。

「ごめん葵。今はちょっと長話出来ないから。放課後、今日は部活無いからその時に」

「う、うん」

そのまま2人は前に向き直し、歩き始めた。相反し、突っ立ってる葵は、放課後に何を言われるか気が気じゃなかった。



※※※


中庭のベンチに座っている。京香が真ん中。両隣に葵と古都葉。女子三人組である。

「いやー。ごめんね葵はくん。男の子だからって色々頼み過ぎちゃって」

「い、いやぁ全然大丈夫だよ。もっと辛い農作業もしたことあるから」

話が本題に入らないまま、数分が経過した。京香は、会ってからずっと険悪な顔をしていた。

「き、京香さん……」

「京香でいいよ。ごめん。なんかやっぱり上手く纏まらなくて、ちゃんと言えそうにないや」

古都葉はその姿にクスクスと笑っていた。

「けど、聞いて欲しい。私は、葵が好き。なんだと思う」

「む、無理しなくて良いんだよ?僕は女の子だし、京香がしたいことはなんもして上げられないよ」

「そうじゃなくて。ただただ葵が好きなの。葵が女の子だろうと、人間じゃなかろうと。葵が好きなの」

「愛だよ、あいっ!」

古都葉が顔を此方に覗き込ませる。

「うるさいよ古都葉!……だからその、私と、別れないでくれますか?」

葵にとってのこの要求に、否定の余地はなかった。いや、肯定が全てだった。

「僕でいいなら、お願いします」

「うわーい!これで正式にカップルだねぇ」

古都葉がベンチから飛び出し、ピョンピョン飛び跳ねた。葵は真似こそしなかったが、心の中ではソレと同じだった。

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