十九輪目 欲情
唇は柔らかく、今迄のどんな男子より気持ち良くて、頭の中が真っ白だった。何秒したか分からなくなる頃、2人は接吻を終えた。そして口を袖で覆う、葵の余りに愛くるしい姿に、京香は激昂した。抱きしめたまま、自らごとベットに倒れこんだ。そのまま体制を変え、京香が仰向きになった葵の上に、四つん這いになった。
「ごめん葵、私、我慢出来なよ」
「よ、よくわかんないけど……京香を信じてる」
気が付いたら、さん付けが取れてる。それは昂奮状態の京香に拍車を掛けた。
もう一度深いキスをする。舌が葵に入る。葵の舌も必死に京香の舌に絡まろうとするが、上手くいかず、まるで葵そのものだった。
唾の粘液が長く糸を引く。京香は軽く昇天していたのかもしれない。身体が火照り、頬も紅色に染まった。
そして、下半身に手を伸ばす。一階には親がいるが、そんなことで止められるほど、理性的ではなかった。葵は目を瞑り、京香のされるがままだった。こういう経験のないので、当然なのだが。
遂に、京香の細い指が葵の局部に到達する。なんどもズボンのチャック付近を往復しても、ソレらしきものが分からなかった。もしかすると小さ過ぎて分からないのかも、と思った京香は静かに葵のズボンを下ろした。
けれど、パンツ越しでもそれは視認で出来なかった。トランクスなので、仕方ないと感じ、京香はその興奮を手にのせ、ソレに触った。
しかし、そこにあったのは、自分のと全く同じ形をした局部であった。




