十六輪目 部活
「いやー暑くなってきたねー。」
三人は今、中庭端でプランターの土の入れ替え作業をしている。勿論、他の部員も同様に。
「ちょっと葵ー!こっち手伝ってくれ!」
「はいはい!」
男手は、土を校門近くの倉庫からプランターまで運ぶ重労働に追われていた。
「ここは、この土とこの土を混ぜまよう?そしたら、色んな野菜が育てられるよ?」
古都葉の提案に、京香含めその他部員も、黙々とその作業をしていた。
「あっ、葵くんと翔くんは、何か育てたいのある?」
「選んでいいのか?だったら俺はトマトが良いな!美味いし!」
「じゃ、じゃあ僕は百合がいいな」
「え?百合?」
「変かな……?」
古都葉は、不思議そうな目で葵を見る
「普通男の子なら、食べ物系選ぶと思ったんだけどなぁー。わかった。それを育てやすい土にしとくね?」
「ありがとう、古都葉さん」
「ぷは〜!!!!!」
キンキンに冷えた炭酸飲料を口にする。園芸部員はこれが一つの嗜みであり、楽しみなのだ。
「重労働の後の炭酸って、いいわね」
京香は、普段炭酸系のジュースは飲まなかったが、汗を吹き飛ばす様な爽快が気に入ったのかもしれない。
葵も無理してぶどうスカッシュを飲んでいると、後ろから肩を叩かれた。




