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転校生に百合の花束  作者: 惷霞 愁灯
第二章 成長
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十輪目 帰路

「いやー、男手が増えて私は嬉しいよぉ」

横三列で並ぶ中の、真ん中にいる古都葉が飛び跳ねる。両脇の者たちは、それを宥めている。

「あ、そういえば僕、活動日時も顧問も、ましてや、部員も翔以外覚えてない……」

「大丈夫でしょ。私も古都葉しか知らないし」

「それは問題だよ京香ちゃん!この機会に友達増やそうね?」

「転校生の僕と、いや、それより下のレベルになっちゃうよ?」

葵の煽りに、京香は多少ながら不安を覚えつつ、反論した。

「うるさいわね!あんたたち!私の好きでいいでしょ!?」

今度は右脇の者が荒れ狂い、それを残り2人が(なだ)めた。三人は、バラバラの道に別れるまではしゃいでいた。

そしてその日以降、三人は用事さえなければ三人で共に帰っていった。


※※※


家に着いた葵は、ベッドに倒れこむ。新しい日常にまだ慣れていないのだろう、と言い聞かせる。枕で埋まった顔を横に向け、部屋を見渡す。そこに一つの異質がある。机にばら撒かれた数本の百合の花である。

「ぼく、頑張るから……」

そう呟くと、顔をまた下に埋もらせた。

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