表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
水の惑星  作者: 花押
7/27

カイン ― ベクト王国にて

ベクト王国―――


この星の中で一番小さい国の名前である。



全人口30万人弱のこの国では、産業はあまり発達せず

主に農業、畜産業などで細々とだが、平和に暮らしていた。


この国の王は飾ることをせず、質素倹約を常としている。


自分の子供たちも特別扱いをせず、

民の子供と同じ学校に通わせていたので

王という存在が、人々にとって

極めて身近なものに感じられていた。





「カイン様、お待ちください!

そんなに急いでは私がついて行けませんから」



小さな森の奥で少年が2人、急ぎ足で歩いている。



「何だジャン。 もう疲れたの?」


「いえ、疲れたのではありません。

ただ、まだ始まるまでに時間があるようなので

急がれてもあまり意味がありませんから」


「どうして? 早く行ったほうがいいってアリスも言ってたもの。

やっぱり急がないと」



「カ、カイン様・・・」




二人は森の奥の小さな湖まで走るようにして近づいた。


湖のほとりには水草がびっしりと生い茂っている。


二人はそこにしゃがみこむようにして、

湖の中まで茂っている水草の奥をじっと覗き込んだ。



「ほら、もうすぐみたいだよ。間に合ってよかった!」



カインと呼ばれる少年は、嬉しそうににっこりと笑った。


金髪の癖のある髪に緑がかった瞳の色がとても印象的である。



二重の大きな目に、

よく通った鼻筋とピンク色の薄い唇をしていたが、

表情はとてもあどけなかった。


ジャンはカインの向けたまぶしい笑顔に、

照れたように顔を赤くした。



「ほら、始まったようだよ・・・」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ