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少女を拾い、拾われて…

 良志人よしひとが気を失ってから目を覚ましたのは見知らない部屋だった。

「は?」

「何か?」

――ピコピコ

「は?」

「何か?」

――カタカタ、ピコピコ

「え、だから、何で?」

「なんで、と言いますと?」

――カタカタカタ、ピコピコピコピコ

 先程の少女が必死にコントローラーを握っている。

「なんでF〇(エフエ〇)やってんだよぉぉぉぉぉぉ!!」

――テテテテーテーテ、テッテテー♪

「あ、レベルが……」

「レベルが、じゃねーよ!!」

 良志人は少女のコントローラーを奪い取り、

――ベキッ

 へし折った。少女はそれを見てしばらく沈黙、良志人は息を吸い込んだ。

「……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「何で俺は拉致らちられてんだよ!」

 少女の叫びと良志人の叫びが重なった。

「ラチって、何を人聞きの悪い! 倒れたアナタを私の家まで運んで丁寧かつ、丁重に看病してあげたんじゃないですか!!」

「え!? あ、おう、そ、そうだったのか……。えと、あ~、一応ありがとうございます……。あ、あと、ごめんなさい“これ”」

 良志人はへし折ったコントローラーを少女に差し出しながら本当に、本気で申し訳なさそうに言った。少女の方はというと、今頃思い出したかのように放心している。

「・・・・・・あれ?」

「あの、コントローラー・・・・・・」

「あ、別にそのコントローラー --わぁ!!!」

「だ、だから、悪かったです、すいません!」

「起きてるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」

「そこかよ!!」

 良志人は驚いた。少女が良志人が起きた事に気付いてなかった事に。

「と、とにかく、コントローラーは?」

「あ、それは、ほら」

――ポンッ

 何でも無いかのように、コントローラーを直して見せた。

「え? 何やりました?」

「まぁ、それはやる気と根性と想像でカバーして」

「想像はまだしも、やる気と根性が微塵も感じられん!」

 良志人は下品につばを飛ばしながら、少女を怒鳴り散らした。少女は汚そうにハンカチで顔をぬぐうと――

「けッ、汚ねぇな」

「え?」

 急に性格が変わった!? …………ちなみに「けッ」と言った方が少女。良志人は何があったのか分からないといった顔をしていて、少女の方はというとしまったといった顔をしている様な……

「あぁ?」

 ひっ! 気のせいだったようです、はい……。

「今、なんて?」

「いえ、むしが」

 会話になってないのは置いといて、少女は先程のボロ布は体に巻いてはいなかった。それで、ボロ布の方は良志人にかけられている。

 いっては何だが見た目はかなりひどく、本来の家庭なら捨てられてもおかしくない程汚かった。“それ”をかけられている良志人はかけられてることにすら気づいてないように思える。

「虫? 言われてみればやけに多く――って、汚なっ!」

 そう言っているそばから自分にかけられているものに気づいき、勢いよく跳ねのけた。むしろ言ったから気づいたのかはさだかではないが……。

 良志人の跳ね飛ばした毛布(ボロ布)

――バサッ

 と、少女の顔に覆いかぶさった。

「ふが!」

「あ、すまん」

「むがぐふがふが!」

「すまん、何言ってるか分からない」

「むがぁぁ!」

「すまん、わからん」

 これは、なんという・・・・・・。 もちろん、良志人の性癖の異常さは伝わっていると思うが、ここまで来るとこちらとしてもどん引きする以外対処が出来なくなってしまう。

 というか、見てないでとっと少女のボロ布という名の毛布を取ってやれば解決するのではないかと思うのだが、良志人の頭では考えられないようだ。

「むぐぅ」

 あ、死んだ。

「おい、大丈夫か?」

 そう言いながら良志人は少女の毛布を取ってやった。焦らしに焦らしてやっと解放してやるとはさすが超変た

――ヒュッ

「いやー、それにしても蠅が多いな」

 良志人は笑いながらそう言うと、近くに飛んでいた蠅を握りつぶした。(こわい!)

 少女はと言うと肩を激しく揺らし呼吸を整えている。

「ぜぇ、ぜぇ、ゲフッガハッゴフッ」

 ……あんまり女の子らしくない、のは置いといて少女の顔は酸素が足りないためか真っ青になっていた。

「大丈夫か?」

 お前の目は――

「節穴か!!」

「ッ!!!!!!!!!!!!」

(なんか台詞セリフ盗られた)少女は叫びながら良志人の腹(主に下腹部)を蹴り飛ばした。蹴られた良志人は声にならない悲鳴あげて抑えていた。色々なものを。

「何が……」

「だまれ」

――ごすッ

「うっ」

 む、むごい。少年が気絶してるのはともかく、少女の性格が豹変しているのは気のせ――

「さっきからうるせえぞ!」

 ひっ!

「黙って聞いてればゴチャゴチャぬかしやがって!」

 少女は少年の方を見ると…………少年の方?

「お前だよ、お前!」

――ガシッ

 少女はそう言って私を掴むと

「って、なに掴んでんですか!?」

「何って、お前だよ」

 少女は当然のようにそう言うとそのまま続けた。

「さっきから部屋の隅でぶつぶつと! 根暗かお前は!!」

「いやいや、そういう事じゃなくてですね、私はここには存在しないんですよ? 分かりますか、おーけー?」

 必死の説明をしていると言うのに少女は首をかしげる。

「目の前に人がいるのに独り言って、お前頭になんか湧いてるのか?」

「地の文から引きずり出されるとか、死にたい……」

 私がそういうと少女はあやまって――

「なんだお前、オペレーターだったのか! 悪りィな、引きずり出しちまって。けど、たまにやっちまうんだ許せ」

「許せじゃないですよ!」

――あやまる気はなかったようだ。


 ※私は疲れたからここからは全自動フルオートでおおくりします


「あ、逃げやがった」

 少女が掴んでいた女は注意書きとともに消えた。

「う、うぅ」

 良志人のうめき声を聞くと少女は肩をすくめ――

「こいつも起きる事だし、そろそろ戻るかな」

――“元の場所”へと帰って行った。

「ムニャムニャ」

「う~、う~」

 残ったのは気持ちよさそうに眠っている少女とうめきながら気絶している少年だった。

ぐっだぐだですが読んで頂いた方どうもありがとうございます。しかし!これがいつか伏線になってもっと大きな話になるはず!!…です。きっと。※誤字などがあれば指摘して頂けるとありがたいです

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