王様、どいて 〜現代人ってそれだけでチートだよね〜
もう大分慣れてきた。
はい。どうも⭐︎私です⭐︎
乾いた風が頬を撫でた。
白い布みたいなものが巻かれてて、何も見えない。
びょんびょんびょん。
ぶんぶんぶん。
飛んだり跳ねたりするけど、布は取れない。
………まぁいいや。
なんだか面白くなってきた。
耳と頭の中しか動かせないから、耳を澄ませる。
聞いたことがない厳かな声が場に響く。
王様かなぁ?王様っぽーい。
権力者らしく、最もそうな言葉で今回の処刑に至った理由を長ったらしく説明して
最後に甚だ遺憾である。
で締めた。
いや、遺憾なら止めてくれよ。
ようやく布が解かれて、裁判官がまたローザの罪状説明をはじめる。
飽きたなぁこれー。
そう思って、スタスタ処刑台の階段を降り始める。
ふと、やたらと場が静かなことに気がつく。
あんなにボルテージMAXだった観客たちが今は静かだ。
えぇ??もっと遊ぼうよ。
なんなら歌って踊ってみせるのになぁ。
はは!と笑って。
誰にも止められないから、そのまま豪華な階段の前まで足を進めた。
裁判官はまだ喋っていたけど、声が段々と小さくなっていく。
裁判官がついにその場に呆然と立ち尽くした時。
私は王様の目の前に立っていた。
…………ダンッ!
王様の顔面近くに、足を高く上げて。
背もたれのやたら豪華な椅子に、壁ドンならぬ椅子ドンかまして。
一言。
「………それで?」
世界の音が一瞬、止まった気がした。




