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ローザ・ドレスデンの最期

どうやら、私は悪役令嬢というものらしい。

ギロチン台の上で、後ろ手に腕を縛られたまま

うんざりした顔で群衆を見回した。


騒めく、高揚感に満ちた広場の気配。

何か、コンサートの始まる直前のような空気。

ヒラヒラと手でも振ろうかと考えて実行に移そうとして腕が動かないことに辟易して、はっと口の端で笑う。


それだけでまた、群衆のボルテージが一段上がった。

先程まで乾いていた広場の空気が一気に熱を帯びる。


どうしてこうなった。


夢ぇ??

って思うけど、腕を縛られていて頬をつねることも許されない。


代わりにギチギチ、腕を動かすけどきつく縛られた縄は解けず、代わりに怒号が飛んできた。


「貴様、先程まで殊勝にしていたくせに、今更なんだ!!!」


うるさっ!!!!

耳がキーン!!とする。


はぁー………と溜息をつく。


処刑人は見下したような表情で私の髪を掴んで

ガックリと垂れた首を持ち上げた。


イラァ。

腹立つからやめて欲しい。

ああん?と睨むが、処刑人は怯まなかった。


「お前はもう、ここで終わりだよ。

ローザ・ドレスデン。………少しは良い顔になったな」


ギチギチ乱暴に捕まれた髪が痛くて苛立つから、首に力を入れてぐっと顔をあげて。


恐怖よりも先に、それ私の名前??

って疑問が先に湧き上がった。


どうやらそう言うことらしい。

もうここまでくるとどうしようもなくて、体の力を抜いてギロチン台に横たわった。


急に恐怖のようなものが湧き上がるけど。

夢ならここで終わり。

それもまぁ悪く無いか、と思い直して

静かに微笑んだ。


やるなら早くして欲しい。



終わりは一瞬。

首に冷たくて重いものが触れた、と感じた瞬間に

視界だけが移動して、数回の瞬きだけを残して、それすら知覚できないままに意識がブラックアウトした。


痛みは無かった。

それが唯一の救いだったのかもしれない。

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