2-9話 ボクの行く先々には常に死体が転がってる感じ
「なんだか騒がしいな、何かあったのか?」
儀式の間から出てきた鈴夏が、もめている照たちの様子に気付き声を掛けてきた。
「お帰りなさいませ、スズカ様。儀式は無事終えられましたか?」
「ああ、ウェルヘルミナ。ちゃんとジョブとやらも貰ってきたよ。えっと……ステータスオープン」
鈴夏はウェルヘルミナに応じてステータスを開く。
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名前:スズカ・シラヌイ
性別:女 年齢:46 種族:人間
状態:なし
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【ジョブ】
[爆炎魔導士Lv.1]
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【称号】
[異世界からの転移者][初級魔術師]
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【ステータス】
ステータスレベル:1
HP:25/25 MP:30/30
攻撃:16 防御:8
魔力:35 魔抗:12
器用:20 俊敏:8
幸運:7
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【アクティブスキル】
[火魔法Lv.1][爆炎魔法Lv.1]
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【パッシブスキル】
[経験値×10倍][魔法力+10P]
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【新スキル解説】
[火魔法Lv.1]
火の属性魔法を使えるようになる。
習得条件:ジョブ[爆炎魔導士]の獲得。
[爆炎魔法Lv.1]
火の属性の上位である爆炎魔法を使えるようになる。
習得条件:ジョブ[爆炎魔導士]の獲得。
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「まぁっ! [爆炎魔導士]ですか! いきなり上級職とは素晴らしいです、スズカ様!」
「上級職?」
鈴夏が首を傾げるとウェルヘルミナが答える。
「基本職を極めてからでないとなれないのが上級職。本来ならば[爆炎魔導士]は、基本職である『火魔術師』のジョブレベルをカンストしてからでないとなれないジョブなのですが……。さすがはスズカ様ですわ」
「うーむ……。よくわからないが喜んでくれているようだし、きっとこれでいいのだろう」
「はい、もちろんです!」
照の時とは打って変わって、満面の笑顔で返事をするウェルヘルミナ。
そんな二人の様子を離れた場所から観察する照。
ステータスを見ながらワイワイと楽しそうな鈴夏とウェルヘルミナを見て、照はますます不貞腐れていく。
「鈴夏さんも当たりジョブか……。ちくしょう、不幸なのはボクだけじゃないか……」
「……不幸ですって?」
その独り言を耳聡く聞きつけた朔夜が、三白眼になって照を睨みつけてきた。
「[探偵]なんて素晴らしいジョブに選ばれておいて、いったい何が不幸だというのかしら?」
(朔夜さんにこうやって絡まれる原因になってるだけで、充分に不幸だしハズレジョブだと思うのですが……)
声には出さずそう嘆息する照。
声に出すとなおさら絡まれそうな気がしたからだ。
だが――
「ねぇ、聞いてる? 何で言い返さないの? 仮にも探偵ならこちらを言い負かしてみたらどうなの? ねぇ、何とか言いなさいよ」
「…………」
――黙っていても結局は絡まれてしまう照であった。
そんな二人をよそに、ジョブを無事受け取った鈴夏がウェルヘルミナに尋ねる。
「それで、ウェルヘルミナ。私たちはこの後どうすればいいんだ? 『成人の儀』とやらが終わって、これで終了なのか?」
「いいえ、次は『誓いの儀』を、今度は左側の部屋でやっていただくのですが……」
答えながらウェルヘルミナは首をかしげる。
「おかしいですわね、スズカ様が成人の儀の間から出てこられて10分以上は経っていると思うのですが、神官長が出てきません? 何をしているのでしょう、誰か確認してきてください」
「わかりました、では私が……」
ウェルヘルミナの命令に、白い服の神官が応じる。
神官長を呼びに、『成人の儀の間』へ向かい、そのドアに手をかけた――。
* * *
一方――
「――ところで照くん。[探偵]のジョブを手に入れたという事は、それに紐づくスキルを何か手に入れたという事よね?」
――朔夜のダル絡みはまだ続いていた。
「照くんの事は気に食わないけれど、[探偵]のスキルについては気になるわ。どんなスキルか見せてくれないかしら?」
「『気に食わないけど』って……。あーでも、そういえば[探偵]というジョブに気を取られて、スキルまで見ていなかったな」
照は改めてステータスを開く。
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名前:テル・ソウマ
性別:男 年齢:16 種族:人間
状態:なし
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【ジョブ】
[探偵Lv.1]
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【称号】
[異世界からの転移者]
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【ステータス】
ステータスレベル:1
HP:28/28 MP:18/18
攻撃:15 防御:10
魔力:12 魔抗:13
器用:30 俊敏:8
幸運:35
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【アクティブスキル】
なし
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【パッシブスキル】
[経験値×10倍][死神体質(new)]
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【新スキル解説】
[死神体質]
とにかく事件に遭いやすくなる。
習得条件:ジョブ[探偵]の獲得。
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「なっ……なんじゃこりゃあ!?」
思わず照は声を上げてしまった。
(し…[死神体質]? スキルの効果は……とにかく事件に遭いやすくなる? な、なにこの某国民的アニメの少年探偵を思い起こすスキルは……? え、もしかして今後、ボクの行く先々には常に死体が転がってる感じになるの……?)
ステータスを読み、戦々恐々となる照。
そして――。
「きゃああああああああああああああっ!」
その予想を肯定するかのように、つんざくような女性の悲鳴が上がった。




