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第2話 後輩:木下美咲/部活

『勝手に友達追加しちゃいました!すみません。ユーフォニアムパートの木下美咲です!』


 木下美咲、高校1年生だから一個下の後輩だ。


 俺はクラリネットパートだから、多く関わりが歩いてあるわけではないが、顧問の代わりに指揮をしていた時、よく楽器の吹き方について質問をしてきてくれていた記憶がある。

 特段悪い印象がある後輩でもない、というより部活への熱心さも伝わり、むしろ好印象な後輩だった。


『お、やっほー!クラパート3年の高瀬悠斗です!なんかあったかな?』

 返事をすると秒速で既読がついた。


「は、早いな…既読付くの…」

 今は23時20分だ。

 夜更かしする可能性が頭をよぎり返すかどうか悩んだ。

 ただ、部活にいるのも残り半年だ。


「後輩との交流もしておくべき、か」


ピロン♪


『本当はコンクールの日に連絡しようと思ったんですけど、ちょっと緊張しちゃいまして…

コンクールお疲れ様でした!先輩と出られて本当によかったです!ハプニングもあって大変だったと思うんですけど、先輩がいなかったらコンクール出場すらやめることになってたんじゃないか、って思いました。本当にありがとうございます!残り半年間の部活、仲良くしてくれると嬉しいです!』


「うおう、長文だなぁ」


『嬉しい言葉だなぁ、ありがとうね!

 木下さんもめっちゃ熱心に練習してたの見てくれたから、県まで連れて行ってあげられなくて申し訳ないな。

 あと半年間、楽しくやっていこう!』


 我ながら、後輩に対しては猫を被ったいい先輩のふりをするのは上手だ。


 ただ…


「いや、やっぱ後輩との交流より睡眠のほうが大事だ」


 明日起きられなかったら綾華になにされるかわかったものじゃない。寝るべきだ。


 寝る直前、『ピロン♪ピロン♪』と何度か通知が鳴るのが聞こえた気がしたが、睡魔には勝てず、眠りに落ちるのであった。



◇◆◇◆



翌朝、目を覚ますともう明るくなっていた。


「お、アラームが鳴る前に目を覚ませた!?これは成長だな」


 いつもアラームを数分おきに鳴らさないと起きることができない俺にとって、ちょっと嬉しいことだった。

 そう思い、時計を確認すると…


 [9:30]


そしてタイミングを見計らったように着信がなった。


「はい、もしもし…」

『これは、恵に言えってことかしら』


当たり前のようにしては綾華であった。


「やめてくれ!今目を覚ましたんだ。寝起きに脅しを入れるなんて酷すぎるだろ!!」

『ちょっと!逆ギレしないでよ!寝坊したあんたが悪いじゃないの!』

「うるさい!今から準備するんだ!切るぞ!」

『待って待って、今日の練習メニューだけ伝えてよ!』

「え、今後も俺が考えるのかよ」

『当たり前じゃない、1番部のことを理解してるのはあんたなんだから』


 顧問が休んでからメニューを考えるのは俺の仕事だったが、コンクールが終わっても俺が引き続けるらしい。


「…コンクールの反省をパート内でしといてくれ。そのあとは、俺が着いてから伝えるから」

『了解したー』


そうして、大急ぎで支度をし、学校に向けて走り出すのであった

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