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君と駆ける······  作者: 志賀 沙奈絵


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鷹羽雄太 誕生日SS

先月18日に投稿した雄太くんの誕生日回の……続きみたいな物です。せっかくの誕生日だし、雄太くんをウハウハさせてやりたいなぁ〜と思いまして書きました。何かと苦労させてますから、お詫びと言う事です(笑)


 雄太の誕生日の数週間前。


 春香は、ある通販サイトを見ながら悩んでいた。


「雄太くんに似合うのは……。この色かな?」


 様々な色がある中で、雄太が着たらどんな風になるかを想像して、ついニヤけてしまっていた。


「よし、この色にしよう。今日、注文したら、雄太くんの誕生日までに届くし、クローゼットに隠しておこうっと」


 悩みに悩んで決めると注文をしてサイトを閉じた。





「お誕生日おめでとう」

「ありがとう、春香。何かあっという間だった気がするんだよな」

「うん。不思議な感じだね」


 雄太の誕生日は水曜日だったが、当日にお祝いしたいとご馳走を作り、ゆっくりと食事をした後、出会ってからの懐かしい話をしていると、春香がジッと雄太を見詰めた。


「あのね……。ずっと訊きたい事があって……」

「うん」


 何だろうと春香を見ると、ほんのりと頬がピンクに染まっていた。


(へ? 何だ? 照れてる?)

「雄太くん……。私と付き合うようになって……」


 そこまで言って、春香は横を向いて黙ってしまった。春香の次の言葉を雄太は黙って待った。


「その……ね」

「うん」

「いつ……私とシタいって思ったのかなって……」

「ブホッ‼ ゲホッ‼」


 余程言いにくい事なのかなと雄太が思った瞬間、春香が口にしたのは雄太の想像を越えた質問で思わず吹き出してしまった。そして、息を吸った瞬間に唾液が気管に入り、思いっきりむせてしまった。


「ゆ……雄太くん、大丈夫っ⁉」

「ゴホッ‼ ゲホッゲホッ‼」

(え……。否、こ……これは……素直に答えなきゃ駄目なのか? 正直に答えてドン引きされるとかで、どうこうならないよな? 正直に答えて離婚とか言うとは思わないけどっ‼ 付き合ってからヤルまでの期間の考えかたって、男でも様々だし、女の子でも様々なんじゃないのか?)


 春香は椅子から立ち上がり、むせる雄太の背中を擦ってくれている。


「ゲホッ‼ ンンッ‼ ンッ‼」

「飲めるなら、お茶飲んで」

「ンッ‼」


 テーブルに置いていた烏龍茶のグラスを手にとって、ゆっくりと一口飲む。


(あぁ……。口の中に飲み物とか入ってなくて良かった……)


 もし、口内に何か入っていたら大惨事だっただろう。


「はぁ……はぁ……」

「もう大丈夫?」

「うん……。えっと……何で今訊こうと思ったんだ?」

「え? あ、うん。お昼にね、何気なくつけたテレビでドラマやってたの。それで、男の人が女の人に告白してお付き合いするってなったその日に……その……ね」


 テレビを見る事もなかった春香。もちろん恋愛小説や少女漫画すら縁がなかったから、恋愛に関する知識はほぼ皆無だった。


(昼ドラか再放送のドラマを見たのか……。どっちにしてもタイミングが悪いだろっ‼)


 質問の内容に驚いたのと、むせた所為でじんわりと汗が滲む額を腕で拭う。


「妊娠してた時に見たドラマは、そんな感じじゃなかったから、どっちが正解……って言うのはないだろうけど、雄太くんはどうだったのかなって気になっちゃって」


 背中を擦り終えた春香は、椅子に腰掛けた。


「えっと……。正直に言うと……」

「うん」


 綺麗な二重まぶたに彩られた目で真っ直ぐに見詰められる。


「付き合って直ぐは、早いって思ってたんだ。でも、やっぱりシタいって思ってて……。真っ白な春香を汚してしまうって気持ちもあったけど……。それでも、シタい気持ちはずっとあった」

「……そっかぁ……」


 春香は小さな声で呟く。


「嫌だって思ったか?」

「ううん。それって、普通なのかなって思ったの。あの頃の私は理解出来てなかったけど、今なら分かるよ」


 春香はニッコリと笑って雄太の手を握る。


「だから……ね。今日は……一緒に寝たいな。駄目?」


 頬を染めながら可愛くおねだりされて断る理由がある訳もない。


 春香からのもらったプレゼントの箱を手にした雄太は、凱央のベビーベッドを地下に運んだ。


 何よりも嬉しい春香からの夜のお誘いを充分堪能した雄太だった。





この先も雄太くんは苦労を重ねます(笑)主人公ですからね。しかも、主人公を苦労させ、闇落ち寸前まで落としまくる私ですから、苦難の連続は仕方ないのです(笑)読んでくださってる皆様。ブクマや評価などくださってる皆様。今後ともよろしくお願いいたしますm(_ _)m

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