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君と駆ける······  作者: 志賀 沙奈絵


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第14章 新しい生命と新たな誓い 346話


 翌日、雄太達は鷹羽家を訪れた。


「父さん、母さん。子供が出来たんだ」

「えっ⁉ 出来たっ⁉」

「まぁまぁ」


 若夫婦の報告に慎一郎も理保も目を輝かせた。


「お義父さん、お義母さん。これからも何かと頼る事が増えると思いますが、よろしくお願いします」


 春香が二人にペコリと頭を下げた。慎一郎は満面の笑みで、理保は目を潤ませている。


「あぁ、儂らに出来る事なら何でもするからな」

「遠慮しないで言ってね。雄太が生まれた頃とは違うかも知れないけど、私に出来る事はいくらでも協力させてもらうわ」

「ありがとうございます」

「ありがとう。父さん、母さん」


 初孫に盛り上がる鷹羽家と東雲家。気持ちは分かるが必要以上に金を使わないように、雄太はお願いをした。


「贅沢が当たり前の子供にしたくないんだ。贅沢は自分の稼いだ金でするって教えたいから。それに俺の稼ぎで養えないなら、子供は一人でも良いと思ってる。二人、三人と欲しいなら、今まで以上頑張らなきゃなって」

「そうか。お前と春香さんが決めた事なら従うぞ。なんたって二人の子供なんだからな。孫は何人居たって良いから頑張るんだぞ?」


 雄太は深く頷いた。理保は春香の方を見た。


「春香さんと雄太が相談して決めたなら、私達に異論はないわ。とにかく体に気を付けて、元気な子を産んでね」

「お義母さん……。ありがとうございます」


 雄太は、春香と両親が仲良くやってくれていて良かったと思った。


「あ、それで父さんに前にお願いしておいた土地の事なんだけど」

「ん? あぁ、そうだ。ちょうど良かった。頼んでおいた土地が見付かったそうなんだ。理保、地図を持って来てくれ」

「はいはい」


 理保は席を立ち、地図を持って戻って来た。それを慎一郎はテーブルに広げた。


「候補は三ヶ所だ。トレセン周りで最低でも二百坪で探してもらった」


 地図には赤いペンで印がしてあった。雄太と春香は地図を覗き込む。


「ここは小学校の近くだな」

「散歩してる時に見たよ。大きな空き地だなって思った場所だね」

「ん……。ここは坂になってる所だな。夏場は良いけど、雪が降ったら危ないかも知れない」

「そうなんだ? ベビーカーとかだと危ないぐらい?」

「ちょっとでも危ない事は避けたいんだよ」


 心配し過ぎではないかと思うが、何かあってからでは困ると言う雄太の思いは無視出来ない。


「ここ、今の家から近いな。広さも良い感じじゃないか?」

「トレセンにも一番近いし、前の道も広いね」


 二百二十坪と予定より広いが、田舎だから二十坪程度増えたからといって金額が跳ね上がる訳ではない。


「そこで良いなら話を進めるぞ? 実は儂もそこが良いと思ってたんだ」

「あぁ、頼むよ。で、今から家を建てるとして、子供が産まれるまでに完成するかな?」

「約半年か……。今から設計図描いてもらって……。新年に入ってしまうかも知れんな。台風とか来たら工期は押すって事もあるぞ」

「そうか……。何にせよ、ここに決めるよ。な、春香」

「うん」


 雄太と春香は顔を見合わせて頷いた。


「で、予算はどれぐらいをみてるんだ? 土地建物含めて」

「二億円あれば足りるでしょうか?」


 慎一郎の問いに春香が答えた。慎一郎の目が点になる。


「は……春香さん。いくら雄太が賞金を稼いでても、そんなに……」

「私の貯金からも出します。頭金が多い程、ローンが楽になると聞いた事があるんですが……」


 春香の言葉に理保が雄太を見た。


「それはそうよ。雄太、貯金しているのよね?」

「してるよ。大きな買い物って車と婚約指輪と結婚指輪かな? 後は祝勝会ぐらいだよ」

「お金の管理は春香さん?」


 理保は春香へと視線を移した。


「結婚を機に新規口座を作ったので二人でやっているんです。お互いの通帳も把握はしています」

「もし、病気や怪我で金が必要になる時もあるからな。ちゃんと相談してるよ」

「そうか。なら、二人で予算を決めて建てれば良いだろう」


 二人の家を建てるスタートが切られた。





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