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君と駆ける······  作者: 志賀 沙奈絵


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バレンタインデー SP

本日分は バレンタインデー

そして『君と駆ける······』の記念すべき100話目

と 言う事でスペシャルバージョンをお届けします


作中は 3月

ですが やはり バレンタインデーにはバレンタインの話を書きたいなと思い書きました


楽しんで読んでいただければ幸いです



  トレセン近くの喫茶店。


  雄太はコーヒーカップを持ったまま固まった。


「え? チョコレート……?」


 雄太は目の前に座る春香を見詰めた 。


 春香はバナナや苺が乗っているチョコパフェを長いパフェスプーンで美味しそうに食べながら

「あの……鷹羽さん。ちょっと訊いても良いですか? 鷹羽さんはチョコレート好きですか? 嫌いですか?」

と、訊ねて来たのだ。


「はい。バレンタインのチョコレートです。鷹羽さんは騎手なんだし、たくさん食べちゃ仕事に影響が出ますから、少しだけでもって思ったんですけど…… 。もしかしてチョコレート嫌い……ですか?」


 心配そうな顔で春香は雄太を見詰める。


( 市村さんが訊いてくれてるって事は……俺、市村さんからチョコもらえるんだよな……?)


 真意は分からないが、訊ねてくれたのだから可能性はあると思うとドキドキする。


(もしチョコが苦手でも市村さんがくれるバレンタインチョコなら少しずつでも食べたいっ‼ もらえるんなら段ボール一杯でももらいたいっ‼)


 そんな事は言える訳もないし、ガッツいた奴だと思われたくないと、冷静を装って笑う。


「嫌いじゃないですよ? 甘過ぎなのはちょっと苦手……かな」


  雄太が嬉しさを隠しながら答えると、春香は食べていたチョコパフェに目をやった。


「えっと……このチョコレートシロップくらいの甘さなら大丈夫ですか?」


 春香はそう言って、スプーンでチョコレートシロップの部分をすくって 雄太に差し出した。


(えっ⁉ や……そ……そのスプーンは市村さんが使ってた奴で……いわゆる『 間接キス 』って奴なんじゃ……)


 バクバクバクバク


 雄太は心臓が爆走し始めるのを感じる。


(か……間接キス……市村さんと……)


 春香はニコニコとスプーンを差し出している。


(い……市村さんはチョコの甘さの確認をしたいだけ……。他意はない……はず……)

「はい。あ〜ん」


 春香に言われ、雄太は椅子から腰を浮かせて、春香の差し出したスプーンを口に入れた。


 チョコレートシロップはほろ苦く、この程度なら十分食べられると思った。


「どうですか?」


 少し首をかしげながら春香は訊ねた。


(市村さんと……間接キス……した……)


 緩んだ顔にならないように雄太は

「これぐらいなら大丈夫です」

と笑ってみせた。


 春香はニッコリと笑い

「じゃあ……」

と、言って指でチョコレートシロップをすくい自分の唇に塗った。


「はい。バレンタインのチョコのプレゼントです」


 そう言って目を閉じた。


(ちょっ‼ ちょっ‼ ちょぉ〜っ‼  も……もしかして……こ……これは……キスしても良いって……事なの……か……?)


 目の前にはチョコレートシロップを口紅のように塗り目を閉じている春香がいる。


 ドキドキドキドキ


 バクバクバクバク


 雄太はそっと春香の肩に手を乗せてゆっくり目を閉じた。


(市村さんと……キス……。チョコレートの香りが……する……キス……)


 ガサガサ


「アハハハっ‼」


 後少しで春香の唇に自分の唇が触れるといった所で、ガサガサと言う音と聞き慣れた笑い声が聞こえた。


(え? え?)


 目を開くと見慣れた自室の天井が見えた。


 ベッド脇を見るといつも通り純也が寝転がっていて、お徳用のチョコレートを食べながら漫画を読んでいた。


(い……い……市村さんとのキスがぁ〜っ‼)


 夢とは言え春香とのキスを邪魔された腹立たしさから、ゲンコツを喰らわしてやろうかと思った。


 だが、あまりにも大人気ないと思い、寝返りをうち純也に背を向け、春香の膝掛けを抱き締めた。


(俺……欲求不満かよぉ……)





バレンタインデースペシャルバージョンは いかがでしたでしょうか?


よろしければ 感想等 宜しくお願いいたします


今後も 宜しくお付き合いください

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― 新着の感想 ―
ぉぉぉぉっと!? マジモンの春香ちゃんの唇というご褒美かなと思いきやこれは夢だったーーーー(´;ω;`)w これは確かに悔しい(;`皿´) 雄太君じゃなくてもこれはドキドキしてしまうーーー( ̄▽ ̄;)…
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