4章
今日は土曜日、仕事もない朝は急ぐこともないから、朝早く起きる必要もない。
それでも愛の朝は早い。
着替えて、リビングに降りると、すでに歩と望が起きて、コーヒーを飲んでいた。
「「おはよう愛」」
「おはよう、歩兄さん、望兄さん」
挨拶をし、キッチンに入る。
「ご飯まだだよね?これから作るけど、何食べたい?」
「歩兄さん、何にする?」
「愛の作るものなんでも美味しいから、迷うな」
憂いのある顔をする歩を見て、愛は思ったことを口にした。
「そしたら、ホットケーキを今から作るよ!」
「それはいいな!朝から甘いもの食べれるっていいな」
「そうだね。それはいいね。ホットケーキ楽しみにしているよ」
朝食にホットケーキを作ることになった。
ただ愛が作るホットケーキは既存の材料を使わない。一から手間暇かけて作る
材料は、薄力粉、砂糖、べーキングパウダー、卵、牛乳を測りにかけて混ぜて生地を作る。予熱しておいたフライパンを一度布巾で冷まし、コンロに戻し、生地を焼いていく。
こうすることで、ふっくらとしたホットケーキが焼ける。
男3人、結構な量になると思うが、長男である歩が年齢のこともあり、そこまで食べない。
それは普段から言えることではある。
しかし、甘いものは別で、割と好き好んで割と食べたがる。
こう言った時は、一人当たり3枚作るようになっている。
朝からホットケーキの時は、昼ごはんは軽めなスープとなることが多い。
「ホットケーキできたよ!」
「運ぶのを手伝うよ」
「ありがとう、歩兄さん」
ホットケーキだけじゃなく、サラダと簡単にスープも作っていた。
これで、朝食の完成だ。歩と望が運んで食卓を囲む
「「「いただきます」」」
ホットケーキを一切れほどにカットして口に運ぶ
「ふわふわしていて美味しいな」
「流石愛が作るホットケーキは美味しいな」
「褒めすぎだよ」
照れ笑いする愛を見てほっこりする歩と望であった。
朝食を食べ終わり、片付けまで終わった。
本日の休日は、兄弟で家の掃除をするというのが笹田家では恒例となっている。
リビングの掃除、トイレ掃除(下と上)、そして個人の自室となっている。
自室に関しては、プライベートもあるため、各自それぞれでやるので除外されるが、大掃除の時は別だ。
電気替えもあるため、長身の望が率先してやることになっている。
今日がそれに当たる日であった。
普通は、年末にやる大掃除だが、年に一回でも春先にやるようにしている。
年末はそれぞれ仕事で忙しいから手があかなくなるためである。警察の仕事をしている望がいないと、掃除もままならないから
それしたら、春先に大掃除をすることになった。
無事、掃除も終わったら、各自それぞれ自由に過ごすのだが、笹田家は兄弟仲がいい。
普段からも仲がいいことで、近所からも知られている。
「今日は、どこいく?歩兄さん」
「お昼もかねるなら、俺が出すよ。兄さんの執筆になるなら、容易いよ」
「そうだな、行きつけのお店があるんだ。そこに行こうか」
出る準備をして、家を出る。
場所は千住寿町にあるお店ーー、名前は茶香。パンケーキが美味しいことで有名だ。
朝も言ったが、歩は大の甘党である。まだ食べたかった模様
「まさかと思うけど、そこのお店茶香ってお店?」
「そうだ、その店だ!愛知っているのか?」
「パンケーキが美味しいことで有名だよね。この辺住んでいて、知らない人はいないじゃないかな。それより歩兄さん、まだ食べたかったの?パンケーキ」
「もう少し食べたかったのは本当だ」
「それなら言ってくれれば、少し多めに作ったのに。いいよ、今日は歩兄さんの食べたいもので」
「僕の健康を見てくれているのにごめんね」
「たまにならいいよ。頻繁だとちょっと心配だけど、平日はお弁当にして作り置いてるから、満足に食べれてないのかなって思う時あるから」
「俺は、愛の作るお弁当で満足しているな」
「それは嬉しいです」
兄弟で話ながら歩きながら会話をしていると、茶香に到着した。
歩いて20分くらいのところにある。