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昼と夜の交わり  作者: 泡沫
夜の3大組織
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最大派閥

 三大組織にはそれぞれ特色がある。自然とその構成員たちもそれに染まっていくし、各々にあった組織に居座る。


 特諜局ならば真面目。

 マフィアなら凶悪・残忍。

 では、要人警護社はなにかというと、変・自由。


 要人警護社は三大組織の中で最も構成員が少なく、特色がなさそうに見える。しかし、この組織は、少数精鋭かつ、変人・自由人の集団だ。人数が少ないが、それぞれが強い個性と実力を備えている。それこそ、この組織が難攻不落たる所以なのだ。制約が少なく、動きやすい。いざとなった時、最も自由に動けるのは彼らに違いない。何より、その変人・自由人たちひとつの組織として動いている。それは脅威だ。まとまりがないはずの集団を取りまとめるほどの人がそこにいるのだから。


#####


 マフィアの会議室には首領と四人の最高幹部が席についていた。その会議ももうすぐ終わる。


 マフィア現首領 深和 零

 マフィア最高幹部 蓮香 梢

 マフィア最高幹部 畔田 淳哉

 マフィア最高幹部・源流派 XX XX 

 マフィア最高幹部・穏健派 XX XX

 マフィア最高幹部 [空席]


 「私は貴公を認めていない。忘れるな。」


 源流派の最高幹部はそう言い捨てて去ってゆく。

 源流派は最初期のマフィアの考え方を踏襲しようという派閥だ。


 「忠告どうもありがとう。そうだね、君に認めてもらえるように精進しよう。」


 深和は特に激昂することもなく返答する。


 「勝手にしろ。マフィアを廃れさせるな。」


 「それに関しては君もわかっているはずだ。私が首領となってから組織は大きくなっている。」


 彼はチッと舌打ちをして部屋から出て行った。


 「彼の方は自分を差し置いて首領になった貴方に嫉妬しているのです。」


 穏健派の最高幹部はそういった。


 「君はそうではないのかい?」


 「はい。私は貴方の実績を信じておりますので。ですが、いささか、若い者が多すぎやしませんかね。」


 真正面から敵対することなく、少しずつ侵食するつもりのようだ。


 「どういうことだ。」


 深和の問いにも怖じけずに答える。


 「いえね、貴方の実力は見事なものですが、やはり、人手が足りないご様子。直ぐに辞めるような忠誠心の薄い者を高い地位に置くのはどうかと思うのです。長い間、マフィアに忠誠を立てている者こそ取り立てるべきかと。こちらから、良き人をお貸ししますよ。」


 「最高幹部の空席を埋めたいと?」


 ある人物が組織を脱退してから最高幹部の席は一つ空いている。数年もの間…。


 「えぇ。悪い話ではないと思いますよ。どこから拾ってきたのかも分からない若造をいきなり幹部の席につけることもないでしょう。私ならきっとよき人を紹介できるかと。」


 派閥の大きさは五つの最高幹部の席をどれだけ握っているかに依る。よって、最高幹部の席を貰うということは即ち、派閥の拡大を意味する。


 「折角だが、遠慮しておくよ。私は最高幹部に見合う者が見つかるまで空席にしておくつもりだ。ツナギでその席を埋めるつもりはない。」


 「此方から紹介する者では埋めるに値しないと?」


 「そうだな。」


 はっきりとした深和の意思に拒絶を感じた彼はなにも言えなくなってしまった。

 いくら新参者でもこの組織の長なのだ。


 「——-っ。では失礼します。」



 ……これで邪魔者はいなくなった。



 部屋から出ていくと天井裏からスッと影がおりてきた。


 「聞いていたのかい?」


 その影を見ることなく、深和は尋ねる。


 「当然。」


 「相変わらず、仕事熱心だねぇ。」


 「失敬な。ワーカーホリックになるつもりはありませんよ。」


 「もう十分、そうなんじゃないか?」


 「まさか?」


 指を鳴らすとまた別の扉からぞろぞろと人が入ってきた。


 「皆、ご苦労。」


 梢は微笑み、渓は頭を下げた。淳哉は脱帽して目を閉じ、涼は跪いた。


 彼らこそが現在マフィアの新興派閥にして最大派閥である通称・深和派の構成員である。


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