53/63
俺は何もしてません
あくる日の特諜局にて、ふと氷室が問いかけた。
「面倒な幹事長が辞めてくれてとても清々していますが、何か、心当たりありませんか?」
「なんのこと?」
彼の先にいたのは浩輔だ。
浩輔は、何を指摘されようともとぼけて答える気はない。
「なら、それでいいです。玲さんだって察してますよ。」
「本当に何を言っているんだか?」
浩輔はにこやかに笑った。
玲に対する件の元幹事長の言葉に一番怒っていたのは彼だ。
そして、特諜局の『梟』にそれとなく依頼をしたのも彼だ。
ことの発端は全て彼である。
しかし、浩輔はただこう言うだけなのだ。
「俺は何もしてませんよ?」
「憲法第零条 国民の定義」完結。




