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昼と夜の交わり  作者: 泡沫
昼に生きる夜の蝶
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夜の世界

夜の世界————それは裏社会を指す。

 この世界では非合法は暗黙のうちに了承されている。


 一方で合法の中で暮らす一般の人たちの世界を夜の世界の住人は昼の世界と呼称している。

 昼の世界に住む彼らのほとんどが夜の世界の存在を知らない。


 この国(日ノ国)では夜の世界を厳密に管理している。非合法が認められても秩序はあるのだ。

 夜の世界を管理し、昼の世界と隔てているからこそ、この国の昼の世界の治安は良いのだ。

 最も夜の世界の住人にも管理されている自覚がある者は少ない。だからこそ彼らも仮初の自由を楽しめるのだろう。


 そして日ノ国の夜の世界の闇は深く、広さ、凶悪さは世界随一を誇る。

 見たくないものを隠したスクラップ場とも言えるかもしれない。




 夜の世界では人殺しも当然のように容認される。


 <私は人を殺さないからあなたも私を殺さないでください>


 これが、昼の世界の一般的な認識である。

 一方で夜の世界は


 <私は人を殺しますのであなたも殺せるものなら私を殺しても構いません>

 

というのが前提条件となる。

 いくら夜が非合法の世界とはいえ、自分勝手が許されるわけじゃない。寧ろ、ルールが厳しいくらいだ。


 このような相反する世界が共存するために、


<夜の世界の住人は昼の世界の住人に手を出してはならない>


 つまり、カタギには手を出すなという絶対ルールがある。

 それを破る者に生きる資格などないのだ。


 棲み分けがされているこの国は昼の世界にいる限り安全と言えるだろう。



 夜の世界の住人は望んでなる人たちだけではない。






 夜の世界が夜の世界となりうる所以はもう一つある。



 人外の力を持つ者の存在だ。



 人外の力を持つ者たちは意外といる。

 その中でも、人間の子として生まれてきた者や人間の近くで生きている者など様々な経緯があるが、人間の近くで暮らすモノたちは苦労を強いられることになる。人間の世界で暮らすにはあまりに危険だったりもする。


 それだけでなく、自覚がないままイジメにあったり、被害に遭ったり、多くの場合は親に捨てられていたりする。




 そのようなモノたちが生きられる場所がこの夜の世界なのだ。





 真に多様性を重んじていると言えるだろう。


 実力主義なこの夜の世界はそんなモノたちが生きやすく、また成り上がりやすい。


 多くの幹部などはこういったモノたちなのだ。


<次回> 「密会と方針」 6月6日投稿予定

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