気遣いは読心から
羽月と河合は拘置所につくと、予め決めていた通りに中に入り演技を終わらせた。
その時河合の携帯が鳴った。
河合は羽月に手で合図をして電話に出る。
「もしもし河合です。………はい、現在は拘置所で解散するところでして、羽月さんも一緒です。………はい、はい、ありがとうございます。私も羽月さんも気になっていたところでして。………はい、失礼します。」
河合は電話での会話を終了すると羽月に向き直り、ホッとした顔で言った。
「お察しの通り、特諜局からの電話でした。羽月さんは終わったら報告に向かうようにとのことです。あと、破邪師が無事邪霊を祓えたそうです。怪我もなく、五体満足だそうですよ。」
羽月もそれを聞いて安心したように笑みを浮かべ、肩を竦めて河合に応える。
「私たちが心配していること見抜かれてしまったようだ。よかったです。私も彼女とは交流があるから、柄にもなくホッとしてしまったよ。今回は手強そうだったから。」
羽月は現場を思い出しながら言った。そして吹っ切れたように笑う。
「さて、仕事もひと段落だ。ご苦労さま。」
羽月は背伸びをしながら言った。終わりではないけどね、と目を逸らしながら小さく呟く。
「はい。では私は警視庁に戻りますね。」
河合はそんな様子を微笑ましく思いながら羽月に挨拶をする。羽月は頷いて手を振る。
「気をつけて。」
二人はここで解散し河合は警視庁に羽月は特諜局に向かう。
<次回> 「笑えない」 9月1日投稿予定




