全ては彼の思い通りに
伊藤さんも会社を出てオフィスには私がひとり残るのみ。
もうすぐ日の出の時刻を迎えるだろう。
姐さんとの電話で、マフィアは以前から黒幕の存在に気が付いて追っていることが確実になった。
特諜局も別の事件から既に調べているのだろう。
私とて知らなかった訳ではない。
だが、警護社の持つネットワークや情報では追いきれなかった。
マフィアには裏組織のネットワークがある。
特諜局は政府権限を大量に持っている。
警護社は民間企業の情報がある。
そしてそれら二つの組織が詰まっているとなるとかなり面倒な奴らがいるということだろう。
だからこそ今回の件を利用することにした。
三大組織のネットワークを駆使することができる。それぞれの目的や狙いは違えど、この国を守る、居場所を守るということについてのみは共通している。誰もが、大事に思っているはずだ。
今回の計画は、タチバナちゃんが気づかなければ詰みだった訳だけれど、私はそんなに甘く育てたつもりはない。
当然のようにうまくいった。
こうなると調査の網を広げなければならないだろうか。
マフィアも特諜局も国内殆どを調べているだろう。
その網目を抜けるものが無いと仮定するのであれば、国外に目を向けなければならない。
外交も関わってくるかなり厄介なことになるだろう。
仕事などせず是非ともゆっくり暮らしたいがそうも問屋がおろさないようだ。
私は椅子でだらけながら眠りについた。
「昼に生きる夜の蝶」完結。
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<次回>「プロローグ」6月26日投稿予定




