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昼と夜の交わり  作者: 泡沫
昼に生きる夜の蝶
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また明日


 私は走ってオフィスを出て寮の自室に向かった。


自室の扉にたどり着くと、一本瓶とお猪口が袋に入ってドアノブに引っ掛けられていた。

 それを見て、風見さんに気を使われたことに気づいた。


 私は本来一般的な人よりも睡眠や休養を多く必要とする。なぜならば、自分のエネルギーを使いこなせないからだ。簡単に言うと、燃費が極端に悪い。だから今日のように、夜中仕事をした日はそのエネルギーを補給しなければならない。そして、そのエネルギー補給のための飲み物がその瓶に入っている。


 見た目も味も水で私にとってはちょっと飲みこみにくいくらいだが、一般の人には毒となる。慣れた人なら問題はないがそれでも大量に飲んではいけない。薬も酒も食べ物も過ぎれば全て毒となるのと同じだ。


 本来、会社に置いてあって自室に持ち込むことなどない。

 つまりは、私が飲み忘れて帰ることを見越しての彼の行動だろう。

 彼の思い通りになって悔しい気持ちが込み上げてくる。


 鍵を開けて部屋に入る。私の自室は六畳畳だ。敷布団とちゃぶ台が出されていて、ただ寝るだけの部屋だ。キッチンや風呂、トイレもついているが、キッチンはあまり使わない。たまにシャワーを浴びたり泊まったりするだけなので、基本的に物がなく、きれいな状態を保っている。


 私は電気をつけて、窓を開けて軽く換気をした。敷布団をしき、ちゃぶ台を出して、その上に件の瓶とお猪口を置く。

 私は自分に必要な量だけお猪口で飲む。本当はゆっくり飲みたいところだが、時間がない。素早く飲んで、片付ける。


 窓を閉め、着替えをして、布団に潜った。


 今日は慌ただしい日だったが、今日という日は必ず過ぎていく。たとえ、自分に明日がなくても、世界が終わろうとしていても。きっと、すぎていくのだろう。


 天井に染み付いたシミを数えているところで私の意識は途絶えた。


<次回>「夜の蝶は昼に生きる」6月23日投稿予定

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