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胸騒ぎがして

 帰宅する電車の中で、重なり合う人影の隙間から断続して見える外の光に酔ったのかその年配の男はしばらく前にも感じた胃のむかつきを覚えた。

 冤罪にならぬよう念の為、立ち位置は女性のいない男ばかりの互助会めいた群れに紛れて、下車駅をまつ日常はここ40年近く変えたことはない。


 下車駅でホームに降りると人の流れに乗りつつもkioskで缶ビールを買ってベンチであおった。


 ナニかなと男は気になった。


 夕暮れに差し掛かる空を見上げると、ねぐらに帰る鳥のシルエットが群れで見えた。

 もっと大きな影に見えたのは、群れていたからだろうかと自分を納得させる。


 缶を飲み干して立ち上がろうとしたがホームに電車が到着しホームは一方向の流れを生む人で占められて、その流れに押されて改札口を通過した。


 ふうー。足が重く感じて男はため息をついた。


 いつもならまっすぐ帰宅する男は、変な胸騒ぎがしている。自宅に帰るのが嫌なのではなくて、なにかはっきりしないが予感が心に引っかかっている。胃も脚もなぜか重い。


 ムカムカ感が強くなり、嘔吐するかもと駅舎のトイレへと移動しかけると、更に予感が強くなり踵を返すと、見覚えのある集団に囲まれていた。


 空き缶とカバンを取り上げられた男は、女子トイレ内へと男は姿を消し、出てくることはなかった。


 この日に限らず、複数の女性と共に女子トイレに入った男はいても、出て来た姿を誰も見たことがない。



 男が女連れで駅の女子トイレへ入ると失踪すると、都市伝説めいた噂が静かに広まった。


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