表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/13

名状しがたいプロローグのようなもの

 これはただのワルノリ、ワルフザケ・・・・戯れです。


 今回、流れが緩くなりますがセリフを多くしてみました。

 仕事を終え帰宅する男は数日前から、まばらだった塾通いの子供達が集団になったのをよく見かけるようになっていた。

 いくつかのグループが出来て勧誘の尖兵になっているのかイジメなのか同年代の子に声を掛けている。

 例年、年度も切り替わろうという時期にはお受験と言う名の進学に向け、顧客確保のテコ入れなのだと想像し自己完結し、「いやホントにイジメじゃなければいいのだが」とつぶやき、関わりたくない男は足早になる。

 まあこの風景を見るのも来年を最後にあと一回なのだがと男は苦笑いをした。


 時期的にこの時間帯はもう薄暗く、さりとて照明が必要でもない。逢魔が時とも言われるなと誰に言うともなく男はつぶやく。


 翌日、世間では孫と言ってもいいような年齢で数人の小中学生らしい少女達に取り囲まれて男はオヤジ狩りの低年齢化かと困惑した。

 だから年長のものが一歩出て話しかけてきたことに心が身構えてしまった。


「あのー、ちょっとよろしいですか」

 ひときわ上背も胸の成長もある容姿をしている少女に声を掛けられて男は低い声を出そうとか考え普段以上に大人ぶる。

「なにかな」

「えーと、こんばんわ」

「はい、こんばんわ」

「そのですねー、あっ」

「あの、駅からそのまま歩いて来られたんですよね」


 言葉が間延びするおっとりした少女を押しのけて早口で活発な少女が迫ってきて男は少しだけ、ほんの少しだけ上体を仰け反らせすこし声がうわずり軽くあせった。

「ああ、そうだけど。とうかしたのかい」言葉が堅い。


「はい、私たちぐらいの女の子とすれ違わなかったですか」

 ぐいっと寄ってくるので男は表情をこわばらせて半歩下がった。


「君たちのようなグループは何組か見かけたよ」

「あー、一人歩きの子とかは」

「一人で歩いてる子はいなかったねぇ。数人の子が留まって話してたりしてたからね」


「えっ、それじゃあ・・・・」

 後ろの少女から小さな囁きがこだまする。


「もうスカウトされちゃったのかな」

「先越された?」

「何だぁー、残念んー」


「皆んなまって。まだこの辺で反応があるみたい」

 スマホを変な持ち方をしている小さな少女が言い、すぐそばにいた背が同じぐらいの者も横から画面をのぞき込んだ。

「まだ孵化前の反応だよ」

「そう、だからはっきりとした位置特定は出来ないけどね、このあたりにいるはず」

魔素(マナ)が濃くなっているから、危険よね」


「孵化前か。じゃあオーブの譲渡がまだなんだ」

「だったら、あたし達にもチャンス有りね」

 小さくガッツポーズをする。


「そういえば一人歩きの子を見かけたわけじゃないけど、さっき脇道のところでその先の方から会話じゃない子供のような声が聞こえた気がしたなぁ」

「それってドコですか・・・・」

「そら、あの電柱の影になっているところだよ」

「あれですね」

 活発な方の少女が指さし、男はそうだと頷いた。


「そうですか、ありがとうございます」

 先頭の少女が男に礼を言い、示された方へ少女達はぞろぞろと移動始めた。

「あっ。そっちの方向に"空鬼"の反応が出てる」

 殿にいた変な持ち方の少女が、スマホ画面をみて先頭に声を掛ける。

「了解。年少のあなた達二人はその場でジョーンズ待機(*1)。あとは着いてきて」

「はい」

「ちっ、あいつのせいでターゲットの反応が阻害されてたのかも」


 男は突如雰囲気の変わった少女達に戸惑いながら立ち去ることにした。

 小学生で低学年後期な感じの二人の少女の掌が上がりひらひらさせてきたので、



 さらに次の日の帰宅時、前方から来る少女達と後ろに成人女性を見つけた。昨夜の少女達で今夜も誰かを探している様子だった。

 あのスマホを変な持ち方をしている年少の女の子はあいかわらず盛んにスマホの画面と周囲を気にしてキョロキョロしている。今日はランドセルを背負い、リコーダーの細長い巾着袋が出ている。

 男はすれ違うために進路を建物側へと寄った。


 先頭の二人は男に気づいたようで、ペコリとお辞儀したので、男もお辞儀で返した。


「きやっ」

 スマホに気を取られ足下にまで注意が回らなかったのだろうあのスマホの少女が男の横で躓いた。


 咄嗟に身をかがめ少女の体の下へと片手をやると軽い体重の手応えを感じ難を脱したとほっとする間もなく、目は宙に取り残されたスマホを捉えてしまった。このときランドセルから降り出される形で飛び出してくるリコーダーの袋も捉えていた。子供を地面に下ろしかけていたが手足の長さから距離が離れるので反対側の荷物を持つ手を開いて下に落とし、スマホを掴むと背面が平面じゃなく何かがあった。同時に飛んできたリコーダー袋を肩で受け止める。


「うおっ」


 スマホ少女の小さな悲鳴と男の驚嘆した声に少女達の視線に囲まれた男は光に包まれ、落ち着くとそこにはスマホ少女に押しつぶされた幼児の姿があった。


 読んで頂き、感謝します。


 次は"男"目線になります。


 少し長めの短編量を細かく裁断して数話で終わる予定でいます。

 ただし、ノリの産物なので皆様の反応で変化するかもです。



(*1)ジョーンズ待機 少女達間の"目撃者を増やさないで"っう符牒(合い言葉)で、「M○B」と缶コーヒーのCMからとか。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ