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第3章 34「輝き光る神の剣」

「やめろ…やめろよぉ…」

 気づけば俺の目からは涙が溢れ落ち、視界がぼやけていた。

「おいおい!魔王が泣いてやがる‼︎こりゃ傑作だぜ!」

 ユニアを囲っている男の黒エルフが一人そう叫ぶと、ユニアへ向けられていた視線は一気にこちら側へ全員が全員、俺を嘲笑している。

『貴方に誰かを守る力はありますか?』

 どこからかそんな声が聞こえた…いや、聞こえたような気がするだけで耳から入ったものではない。脳に…心に直接その言葉は響いた。

「あったら…今、俺の目に涙なんてねぇよ…」

 男たちは俺から再び視線をユニアに戻している。

「いや!やめて…ま、マサキ様‼︎」

 助けを求めるユニアの声が鼓膜を刺激する。

 胸が痛い…助けられるなら今すぐにでも助けてやりたい…

『貴方は大切な人の為に涙を流せる人なのですね…』

「うっせぇ…」

 いつの間にか普通に心の声との会話を成立させてしまっていた。

 …まぁもうどうでもいい。

『貴方に力を与えます。使いこなして見せなさい…この国の王よ』

 瞬間、周りの音も動きも空気さえもが止まった。

 意識を持つのは俺一人なのだろうか?

 そして、俺を囲むように十本の光り輝く剣が地面に突き刺さる。

「これは…?」

『言ったでしょう。貴方に力を与えるって』

「あんたは?」

 自分の心の声と思っていたモノにその名を問う。

『私の名はアルムス。光の神アルムスです』

 十本の剣は輝きを増し、俺の身体の中に取り込まれていく。

 気付くと時はまた動き始めていた。

 響くユニアの叫び、周りを囲む男たちの威嚇的な声…

「やめろってんだろ‼︎」

 大声で叫んだその声に反応するようにどこからか小さな光がユニアを囲む男たちに突き刺さって行った。

「貴様…今、何をした」

 そう言うのは愉快な顔でユニアの方を見ていたドゥラルートだ。

「きさま…だ?俺はこの国の『王』だ!殺されたくなければ今すぐ消えろ蛮族の長‼︎」

 俺の言葉にイラついたのか、ドゥラルートは座っていた椅子からゆっくり立ち上がりこちらへ歩いてきた。

「蛮族だ?その状態で粋がってんじゃねぇ!」

 ドゥラルートから頬めがけて向けられた蹴りは小さな光の剣によって止められていた。

「何?」

 更に光の剣で自分の縄を切りほどき、軽く屈伸する。

 ドゥラルートは光の剣から足を離し、ユニアを襲っていた男どもや周りを監視していた全ての黒エルフに命じた。

「この男を討て…」

 静かに発せられた命令に周りの黒エルフは俺を囲み始める。

 剣を持つ者槍や弓を持つ者、魔法の詠唱を始める者。

 詠唱が止まった瞬間爆発のような大音量が俺の耳を襲った。

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